地域新聞社、生成AIで消費者の心理状態再現 「デジタルツイン」特許権利化

株式会社地域新聞社は、生成AIを活用して消費者の心理状態を再現する「心理状態デジタルツイン」に関する特許を権利化したと発表した。
国内での特許登録に加え、PCT出願による世界展開も進め、多業種との協業やライセンス提供を視野に入れる。
生成AIで心理を再現、介入効果を最大化する特許技術
2025年12月15日、地域新聞社は、2025年7月8日に出願していた「生成AIを活用した心理状態デジタルツインによる介入効果最大化技術」について、特許登録を完了したと発表した。
特許番号は第7785439号で、消費者行動ビッグデータと生成AIを組み合わせ、ユーザーの心理状態やペルソナ特性をリアルタイムで推定・再現する点が特徴となる。
本技術は、広告配信や情報提示の「タイミング」を最適化する情報処理システムである。
時空間における心理変化を高精度に捉えることで、従来の一律配信とは異なる介入設計を可能にした。
また、相関分析にとどまらず、因果推定に基づいて施策効果を定量化できる点も新しい。
さらに、テキストや画像、音声といった非構造データを量子化して活用できるほか、マルチエージェントAIにより環境変化への自律適応とスケーラビリティを備える。
地域新聞社は、PCT(※)出願を通じて海外展開も見据え、特定地域に依存しない技術基盤の確立を進めている。
※PCT(特許協力条約):一度の国際出願で複数国への特許取得手続きを簡素化できる国際的な枠組み。各国での権利化を効率的に進められる。
マーケから教育・金融まで広がる活用余地と課題
地域新聞社は、本技術を高汎用かつカスタマイズ可能なプラットフォームとして位置付けていると考えられる。
主要な応用分野はマーケティングで、ECにおける購買促進やカート放棄防止、SNS広告の最適配信、サブスクリプションの解約抑止などが想定される。
心理状態に即した介入は、顧客体験の精度向上につながる可能性がある。
一方、教育・人材開発では個別最適学習やモチベーション維持、金融・保険では与信管理や投資行動支援など、非マーケ領域への展開余地も大きい。
製造業の予知保全や物流、不動産、エンタメ分野まで含めると、ライセンス提供や共同開発の選択肢は広がりそうだ。
ただし、心理データを扱う以上、倫理面やデータガバナンスへの配慮は不可欠である。
地域新聞社も現時点では業績計画への織り込みは発表していないため、事業化のスピードや市場受容性が今後の課題となるだろう。
長年にわたり築いてきた地域密着型メディアの企業資産と先端AI技術をどう結び付けるかが、次の成長局面を左右すると考えられる。
関連記事:
朝日新聞社、AI不正検知で経費精算を高度化 SAP Concurの「Verify」採用












