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    米主導のAI供給網連携が始動 日本参加で経済安保が新局面へ

    2025年12月12日、米国務省は日本や英国、オーストラリア、韓国などとAI関連産業の供給網構築を目的とした多国間協力枠組み「パックス・シリカ」の発足を発表した。

    目次

    米主導「パックス・シリカ」発足 AI供給網を同盟圏で構築

    米国務省が発足を発表した「パックス・シリカ」は、AI関連産業に不可欠な半導体、重要鉱物、通信インフラなどの供給網を、同盟国・友好国と連携して構築する多国間協力枠組みである。参加国には日本、英国、オーストラリア、韓国などが名を連ねた。

    米国側は、AIが世界経済の構造を大きく変えつつあると指摘し、信頼できる国々による供給体制の確立が不可欠だとの立場を示している。データセンターや情報通信基盤の整備も対象とされ、産業政策と安全保障を一体で進める姿勢が明確になった。

    背景には、AI分野で台頭する中国への警戒感がある。国務省高官は「20世紀が石油と鉄鋼の時代なら、21世紀はコンピューティングとそれを支える鉱物の時代だ」と述べ、同枠組みの戦略的重要性を強調した。名称は「平和」を意味するパックスと、半導体材料のシリカを組み合わせた造語である。

    日本に広がる成長機会と制約 AI経済圏はどう変わるか

    パックス・シリカへの参加は、日本にとって先端半導体や素材分野で国際的な存在感を高める好機となる。
    供給網の中核に関与することで、国内企業の技術力が評価され、投資や研究開発の呼び水になる可能性がある。一方で、対中関係への影響や、供給網再編に伴うコスト増はリスク要因だ。
    また、同盟圏での連携が進むほど、技術標準や規制の共通化が求められ、日本企業には迅速な適応力が必要となる。自由度が制限される局面も想定され、経営判断の難度は高まるだろう。

    今後、参加国の拡大や具体的な共同プロジェクトが示されれば、AIを軸とした新たな経済圏が形成される可能性がある。日本がその中で主導的な役割を果たせるかが、成長の分岐点となりそうだ。

    プレスリリース

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