AI生成動画で誰もが競う舞台へ 日本初の参加型YouTube番組が始動

2025年12月12日、AI LAB STARTUP(東京都港区)は、生成AIで制作した動画を投稿し競い合う参加型YouTube番組「AI LAB CREATION」を開始した。AI生成動画の投稿コンテストを常設化する取り組みは日本初である。
AI生成動画を競う常設YouTube企画が正式開始
AI LAB CREATIONは、参加者が生成AIを用いて制作したショート動画をYouTube上に投稿し、毎月1作品を「MONTHLY GRAND PRIX」として選出する企画である。受賞者には賞金10万円が贈られ、参加費は無料、年齢・国籍・経験を問わず誰でも参加できる。投稿数にも制限は設けられていない。
同社によると、AI動画をテーマにした投稿型コンテストを常設で運営する試みは国内初となる。開始直後から国内外のクリエイターによる応募が集まり、ジャンルも広告表現、物語性のある映像、実験的なビジュアル作品まで幅広いという。
企画の背景には、生成AIの進化による制作環境の変化がある。動画生成AI(※)の普及により、専門的な撮影機材や編集スキルがなくても、高品質な映像表現が可能になった。一方で、作品を発表し、第三者から評価を受け、実績として蓄積できる場は限られていた。
AI LAB STARTUPはこの課題に対し、映像制作ノウハウとAI教育事業で培った知見を融合させた。同社が提供するオンライン講座と連携し、学習から制作、発信、評価までを一貫して支援する仕組みを整えている点も特徴だ。
※動画生成AI:テキストや画像などの入力をもとに、AIが自動で動画コンテンツを生成する技術。近年、品質と表現力が急速に向上している。
創作の民主化が加速 評価設計と質の担保が課題に
AI LAB CREATIONは、生成AIを活用することで動画制作の参入障壁を下げる取り組みの一つとして位置づけられる。
従来は時間やコスト、専門スキルが求められてきた映像制作も、AIの活用次第ではアイデア重視で挑戦しやすい環境に近づきつつある。
副業層や学生、海外在住のクリエイターにとって、新たな発信や実績づくりの場となる可能性もある。
一方で、生成AI作品特有の課題も考えられる。
参加者の増加に伴い作品数が拡大すれば、審査基準や評価軸の明確さが、受賞結果への納得感を左右する要素となりうる。
また、AIによる表現が一般化するほど、企画全体としてどのように独自性や質を維持していくかが問われる場面も増えるだろう。
同社は今後、年間アワードの開催や企業タイアップ、グローバル部門の設置を計画している。
AI動画が一般化する次の段階では、「誰でも作れる」時代において、どのような創造性を評価するのかが重要な論点になる。
AI LAB CREATIONが示す評価モデルは、日本発の一つの事例として注目される可能性がある。
関連記事:
ロッテ×アルが生成AI名刺を公開 自撮りが“ビックリマン化”する40周年企画が始動

YouTube、AI実験プラットフォーム「YouTube Labs」公開 音楽体験を変える初企画も始動












