自治体のWeb3導入が次の局面へ キリフダ×SHIFTが地方創生カンファレンスを開催

キリフダとSHIFTが東京都で「地方創生 × Web3カンファレンス」の開催を発表した。地方創生分野でのWeb3活用をテーマに、2026年1月19日に自治体と事業者を対象とする実践的イベントを行う。
自治体のWeb3活用を実務レベルで議論する実践型イベント
2025年12月11日、キリフダとSHIFTは、地方創生領域におけるWeb3の可能性と課題を正面から扱うリアルイベントを2026年1月19日に開催することを発表した。同日より事前申し込みの受付を開始している。
会場はSHIFT本社とオンラインのハイブリッド形式で、参加費は無料だ。自治体関係者、地方創生事業に取り組む事業者、自治体をクライアントに持つ事業者など、150名ほどを対象予定としている。
イベントが注目される背景には、地域通貨やNFT(※)を活用した施策が全国で増えていることが挙げられる。
一方で、「具体的にどの課題に対しWeb3が有効なのか」「実装にあたりどのような障壁があるのか」といった実務情報が不足している現状がある。特に、企画段階では想定しづらい技術・運用面の摩擦が現場では顕在化しており、自治体側が判断に迷うケースも多い。
今回のカンファレンスでは、先行自治体や支援企業の担当者が登壇し、成功例だけでなく、実装過程で直面した課題も含めて議論する構成だ。導入の意思決定プロセス、住民向けの価値設計、継続運用のポイントなど、自治体が最も知りたいリアルな情報が共有される見込みである。
また、参加者同士の名刺交換会も用意されている。
※NFT:Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略称。デジタルデータに固有性を付与する仕組みで、所有証明や希少性の担保に用いられる。
Web3は地方創生の武器となるか 普及の鍵を握るのは実務知と共創の仕組み
Web3施策は、地域の関係人口拡大やデジタルID基盤の構築など、多様な領域で活用の可能性がある。
一方で、自治体が単独で技術要件を整理し、持続的に運営するには専門知識が求められる。今回のイベントは、こうした技術と行政の溝を埋める役割を担うと見られる。
メリットとしては、地域通貨の透明性向上や参加者インセンティブ設計の高度化など、従来施策では実現しにくい新しい仕組みの導入が挙げられる。特に、外部企業と連携することで効果検証が迅速になり、地域外からの資金・人材流入を呼び込める可能性も高い。
しかしリスクも小さくない。住民のデジタル理解度には大きな差があると考えられるため、施策が“先走り”になれば不信感を招きかねない。
また、Web3関連技術は実装要件が難解で、設計を誤ればコストが膨らむ危険性を含む。NFTやブロックチェーンの社会的評価は依然として揺れ動いている状況のため、制度面の整備が追いつかない場面も生じやすいだろう。
それでも、官民連携による知見の共有が進めば、自治体が抱える課題とWeb3技術の適合性を見極めやすくなるはずだ。
SHIFTの品質保証領域での実績や、キリフダの技術支援ノウハウが活かされれば、地方創生におけるWeb3活用は次の段階に進むのではないだろうか。
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