エクセディのAIロボ「Neibo」導入 カインズ店舗で売り場案内が自動化へ

2025年12月11日、エクセディはスマートロボットサービス「Neibo(ネイボ)」マルチロボットが、埼玉県のカインズ吉川美南店に常設導入されたと発表した。AI対話による売り場案内を軸に、次世代型ホームセンターの顧客体験を支える取り組みとなる。
エクセディの「Neibo」、カインズ吉川美南店で常設稼働
エクセディは、自社開発のスマートロボットサービス「Neibo」マルチロボット2台を、2025年12月11日オープンのカインズ吉川美南店に導入した。店舗の常設設備として稼働し、来店客向けの売り場案内や店内プロモーションを担う。
同社は自動車部品メーカーとして培ってきた制御技術や耐久設計のノウハウを活かし、2024年にスマートロボット事業へ参入した。「Neibo」は用途別に機能を組み合わせられる点が特徴で、案内、広告、巡回、運搬といった複数業務を1台でこなせる。
カインズはITとリアル店舗の融合を進め、「次世代型ホームセンター」の実現を掲げてきた。吉川美南店は「くらしの庭」をコンセプトとする重要拠点であり、交通利便性と大規模売り場を活かした体験型店舗として位置づけられている。
今回採用されたサービスは、マルチロボットとのAI対話(※)による売り場ナビゲーションと、店内回遊を促すプロモーションの2種類だ。
21.5インチのタッチパネルを備え、直感的な操作で情報提供を行う。
※AI対話:人工知能を用いて人の質問や行動に応じた自然な受け答えを行う技術。音声や画面操作を通じ、利用者を適切な情報へ導く。
省人化と体験価値向上を両立できるか、次世代店舗の試金石
本導入の最大のメリットは、人手不足が深刻化する小売現場において、省人化とサービス維持を同時に狙える点にあると考えられる。時間帯に応じて業務内容を切り替えられるロボットは、スタッフの負担軽減に寄与すると見られる。
一方で、ロボット案内は情報提供が定型化しやすく、対面接客ならではの柔軟な提案力が弱まる可能性もある。顧客満足度を高めるには、人とロボットの役割分担を明確にする運用設計が不可欠だろう。
将来的には、ロボットを通じて得られる行動データを売り場改善や販促戦略に活用できるかが鍵となりそうだ。カインズでの成果次第では、他店舗や他業態への展開が進み、国内小売DXを後押しする事例になる可能性がある。
エクセディの「Neibo」マルチロボットが、カインズ 吉川美南店で採用 12/11(木)オープンの次世代型店舗で新たな顧客体験サービスを提供開始
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