日立がJava基盤を刷新 Spring AI対応でAIアプリの透明性と運用を強化

日立製作所はJavaを用いた企業向けアプリケーション基盤「uCosminexus Application Runtime」の最新版を提供開始した。
トレース機能強化によるAIアプリケーションの透明性向上や対応OS拡充など、基盤強化を図るものである。
Spring AI対応とOS拡充でAI活用とモダナイズを支援
2025年12月10日、日立製作所は、Javaアプリケーションの開発・運用を行う企業向けWebアプリケーション基盤「uCosminexus Application Runtime」の最新版の提供を開始した。
今回の更新では、生成AIやAIエージェントをJavaアプリケーションに組み込めるSpring AI(※)に対応したほか、AIアプリケーション実行時の入出力処理や外部サービス連携のトレース機能を強化した。
これにより、AI処理の透明性を高められる構成となっている。
本ソリューションは、Spring BootやApache TomcatといったOSSを利用しながらエンタープライズシステム向けの信頼性確保機能を一体で提供する点が特徴で、金融や公共をはじめ多様な領域で採用されてきた。
最新版では、迅速な障害対応や予防保守情報の提供など運用支援も強化された。
対応OSも拡大され、従来のLinux系やコンテナ環境に加えてWindows ServerとAmazon Linux 2023を新たにサポートした。
これにより、既存資産を用いた移行やクラウドネイティブ環境への適用など、再構築を伴わないモダナイズを実現できる。
価格は月額37,500円からで、使用コア数に応じたサブスクリプション体系が採られている。
※Spring AI:Javaアプリケーションに生成AI機能を統合し、外部APIやLLMを統一的に扱えるフレームワーク。
AI基盤の進化が企業の刷新を後押しする一方、運用負荷増にも留意
「uCosminexus Application Runtime」の最新版は、企業がAIを業務システムに取り入れる際の障壁を下げる役割を果たすと考えられる。
Spring AI対応により、JavaでのAI実装が容易となり、既存のアプリケーション資産を保持しながらAI活用へ踏み出せる点は大きなメリットになるだろう。
AI処理の入出力や外部API連携を可視化できる点も、品質確保や障害分析に寄与すると考えられる。
一方で、AI特有のログ管理やトレース運用を求められる場面が増えるため、運用部門にはこれまで以上の技術理解が必要になる可能性がある。
また、OS対応の拡大によって選択肢が増える半面、環境ごとの差異を踏まえた最適設計も求められるため、導入企業は運用ポリシーを明確にする必要がありそうだ。
今後は、JavaエコシステムにおけるAI対応が加速する中で、Spring AIを軸としたアプリ基盤の整備が企業のモダナイズ戦略を後押しするとみられる。
日立のようにOSSと企業向け支援を組み合わせた基盤が充実していけば、国内企業のAI導入速度も一段と高まるかもしれない。
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