LUUPと渋谷未来デザインが「Shibuya Safe Ride Project」を開始 渋谷で飲酒運転防止と安全走行の徹底へ

渋谷未来デザインとLuupは東京都渋谷区で「Shibuya Safe Ride Project」を発足したと発表した。
安全走行を目的に、LUUPポート上でのアルコール検査を導入し、基準未達の場合は乗車できない仕組みを試験運用する。
渋谷で始動、LUUPが反応テストと検査で飲酒運転を抑止
2025年12月9日、渋谷未来デザインとLuupは、渋谷区の「安全・安心で成熟した国際都市」実現に向けた新プロジェクト「Shibuya Safe Ride Project」を共同で立ち上げたと発表した。
本取り組みは、渋谷区および渋谷区観光協会が後援し、東急、東京海上日動、ファミリーマートなど複数企業が賛同して参画している。
多様な主体が連携し、街の安全な移動環境を共創する枠組みとして発足した。
背景には、渋谷区が抱える坂道の多さや駅周辺への人流集中、生活圏での移動手段不足といった課題がある。
区民の利便性に加え、観光や回遊性、防災、夜間の安全など幅広い領域で移動課題が顕在化してきた。
官民連携で誰もが安心して移動できる都市環境を整備することが急務となっている。
プロジェクト第一弾として、年末年始に向けた飲酒運転対策と安全啓発を重点的に実施する。
Luupは世界で初めて、モビリティシェア利用者に対し乗車前のアルコール検査を試行し、渋谷区内の複数ポートで乗車可否を判定する仕組みを導入した。
加えて、LUUPアプリ内では繁華街エリアの利用者を対象に反応テストを開始し、利用者が自身の状態を確認できるようにする。
規定回数の再受験で一定時間利用不可となる機構も設け、安全意識の向上を図る。
さらに、区内デジタルサイネージを活用した啓発広告、SNSでの発信、安全講習会、ヘルメット貸出ブースの設置など、複数施策を同時展開する。
安全走行の文化定着へ 都市モデルとしての波及も視野に
反応テスト導入により、電動マイクロモビリティ利用時の安全意識が向上する可能性がある。
飲酒の影響を即時に自覚できることで、危険な利用行為を未然に防ぐ効果が期待できる。
アルコール検査と併用することで、利用者の行動変容を促す仕組みとして機能する見通しだ。
また、繁華街での深夜帯利用が多いエリアに特化して運用される点も、施策の実効性を高める要因と言える。
一方で、反応テストによる利用制限は利便性の低下につながる側面もあり、どこまで利用者に受け入れられるかは今後の検証が必要になる。
安全性向上と使いやすさのバランスをどう取るかが、施策の定着に向けた課題となりそうだ。
とは言え、この取り組みが成功すれば、都市部でのマイクロモビリティ運用における新たな標準モデルとして他自治体へ波及する可能性もある。
移動安全の確保、飲酒運転の抑止、街との共生モデル構築という複数の社会課題にアプローチできる点は、官民連携施策として評価できる。
渋谷区を起点に形成される“移動の安全文化”が、都市の持続的な成長に寄与することに期待したい。
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