コミューンが「Commune Voice」を提供開始 生成AIで顧客の声を統合分析

2025年12月9日、国内の企業コミュニティ運営を支援するコミューンが、生成AIを活用した顧客の声(VoC)および従業員の声(VoE)分析サービス「Commune Voice」の正式提供を開始したと発表した。SNSやコミュニティに蓄積した膨大な投稿を統合し、商品改善や解約率低下に直結するインサイトを抽出できる。
Commune Voiceが正式提供、VoC・VoE分析をAIで自動化
コミューンは「Commune Voice」を正式リリースし、企業が抱える膨大な投稿データをAIで整理・統合する基盤を整えた。
コミュニティ投稿に加え、SNSなど複数チャネルの声を過去分も含めて収集し、自動的に分類・評価できる点が主な特徴だ。
分析機能は多角的で、投稿の自動グルーピング、ポジティブ・ネガティブ判定、時系列推移の可視化などを備える。これにより、顧客の関心変化や不満の兆候を早期に捉えられるようになる。
さらに、コミュニティのユーザーランク別に頻出ワードを抽出し、ロイヤリティ向上につながる行動要因を把握する機能も搭載している。優良顧客の育成施策策定に直結するデータを得られる点が強みと言える。
また、自社ブランドのカテゴリーエントリーポイント(※)を分析できる点は、商品開発や改善に大きく寄与する。
どの文脈でブランドを想起し、購買に至るかを可視化することで、マーケティング戦略の精度が高まる。企業に蓄積される膨大な声は資産である一方、「集めて終わり」になりがちで、活用が進まない課題があった。
コミューンは「集積から理解へ」を掲げ、企業の意思決定を支える分析基盤としての役割を強めている。
※カテゴリーエントリーポイント:顧客が商品やブランドを思い浮かべ、購入を検討するきっかけとなる心理的・状況的要因。
AI分析が企業活動に広く波及 精度向上の利点と依存リスクの両面
Commune Voiceの登場により、企業は顧客インサイトをこれまで以上に迅速かつ深く理解できるようになるだろう。特に、解約の兆候を早期に発見できる点は収益改善に直結し、カスタマーサクセス部門の対応スピードも向上すると考えられる。
VoEの統合分析は従業員の課題把握にも役立ち、企業内の改善ループを加速させる可能性がある。
メリットとしては、商品開発・マーケティング・サポートといった部門横断での意思決定精度が向上し、データを起点とした施策の成功確率が高まる点が挙げられる。特に、カテゴリーエントリーポイントの可視化は、成長領域の特定や優先投資判断に直接つながるとみられる。
一方で、AI分析は処理の透明性が欠けやすく、判断根拠が見えにくいリスクがある。企業は、人のレビューやモデレーションを組み合わせ、解釈の誤りを防ぐ必要があると言える。
さらに、SNSを含む外部データを扱う以上、プライバシー管理やデータ倫理の整備は不可欠だ。AI依存が進みすぎれば、誤検知や偏りが意思決定に影響する懸念も残る。
今後は、分析精度と透明性を両立した運用が鍵になり、AI活用の成熟度によって企業間の競争力格差が広がる可能性がある。企業が「声」を戦略資産としてどう使いこなすかが問われる局面に入った。











