GoogleのAI試着アプリDopplが新発見フィードを追加 試着から購入まで一体化

2025年12月8日、米GoogleはAI試着アプリ「Doppl」に新たな発見フィード機能を追加したと公表した。
AI生成の試着動画を見ながら商品購入まで進められる仕組みで、米国内の18歳以上の利用者に提供が始まった。
AI生成動画で似合う服を提案し購入まで誘導
「Doppl」はGoogleが開発した実験的なAIアプリで、ユーザーが自分の全身写真をアップロードすることで、オンライン上の衣服をバーチャルで試着できるファッションアプリだ。
この度、Dopplにショッピング可能な発見フィードが導入された。
新フィードでは、利用者が共有したスタイル嗜好やアプリ上での行動をもとに、AIが個別のスタイルプロファイル(※)を形成し、好みに合うコーディネートを提示する仕組みだ。
提示されるアイテムは、実在する商品を元にAI生成した動画として表示され、利用者はその場で仮想試着ができる。
さらに、ほぼすべてのアイテムに販売事業者への直接リンクが付与されており、動画視聴から購入までを一気に完結させられる点が特徴となる。
この新機能は、米国内のiOSおよびAndroidで同日から利用可能となり、Googleが進めるAI活用型ショッピング体験の中核を担う取り組みと位置づけられる。
※スタイルプロファイル:利用者の嗜好や操作履歴をもとにAIが作成する個別化データ。
個別化と購買導線強化で変わる体験 透明性や依存度に課題も
今回の導入により、AIによるレコメンドと試着体験が購買行動を直接後押しする構造が強まるとみられる。
ユーザーは従来よりも少ない操作で自身の好みを把握し、購入判断を効率化できるため、オンラインファッションの体験価値は向上すると考えられる。
一方で、アルゴリズムの個別化が進むほど、利用者が提示された選択肢に依存しやすくなるリスクもある。
スタイルプロファイルの構築過程がどこまで透明化されるかは重要な論点であり、推薦の偏りや購買誘導の強さがユーザー体験に影響する可能性は否定できない。
また、AI生成動画が売り手と買い手の距離を縮める効果を持つ一方で、商品実物とのギャップを最小化できるかどうかも今後の鍵になりそうだ。
Dopplが継続的に精度を高められれば、AI主導のショッピング体験がファッションECの新たな形として浸透する可能性がある。
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