東証上場のクオンタムソリューションズが米Permian Labsと協業 2億ドル規模のオンチェーン金融枠組み構築

2025年12月8日、東京のクオンタムソリューションズが米Permian Labsとオンチェーン型ファイナンス協業に関するMOUを締結した。
GPU資産を裏付けとした最大2億ドルのノンリコース枠組みをUSD.AIプロトコル上に構築し、日本・APACでのAIデータセンター拡張を加速する計画だ。
GPU担保で即時資金供給 AIDC拡張を支える新たな金融構造
クオンタムソリューションズは、AIデータセンター(AIDC)拡張のため、米Permian Labsが開発するUSD.AIプロトコルを用いた最大2億ドルのファイナンス枠組みを構築することで合意した。
協業はMOU段階ながら、調達したGPUをバッチ単位で独立管理し、第三者検査や保険付保、稼働確認、資産トークン化を経たうえで、イーサリアム上で即時に資金供給が実行される点が特徴だ。
本枠組みはノンリコース型であり、GPUの価値と稼働実績を担保とすることで、クオンタムソリューションズのバランスシートに負担を生じさせない設計になっている。
資金引き出しはGPUの調達・設置・稼働段階に応じて段階的に行われ、需要が高まるAIDC基盤の整備を柔軟に進められるのが利点だ。
Permian Labsは、合成ドルプロトコルUSD.AIを通じて6.5億ドル超の資産をオンチェーン管理しており、北米では複数のGPUバック型取引を実行してきた実績を持つ。
同社の仕組みは、実世界のインフラ資産をデジタル市場と直接接続する点で評価されている。
今回の協業について、クオンタムソリューションズのZhou社長は「日本および APAC において GPU 配備をより迅速に進めることを可能にします」と述べ、技術・金融の双方で海外先端事例を取り入れる姿勢を示した。
AIインフラ金融のモデル化へ 透明性と拡張性が新市場を開く可能性
オンチェーンでのファイナンス実行は、AIDC拡張に必要な資金供給を迅速化しつつ、透明性と監査可能性を担保する点で新たな金融モデルとなる可能性がある。
GPUを実世界資産として扱えるUSD.AIの仕組みは、機関投資家によるデジタル資本市場への参加を後押しし、資金調達の幅を広げる契機になると考えられる。
また、資金調達の即時性や資産稼働データを前提とした精緻なリスク評価ができることはメリットだろう。
一方で、オンチェーン資産の管理やセキュリティ要件が高度化し、技術基盤の安定性が欠ければ、ファイナンス全体に影響するリスクも残る。
Permian LabsのChoi CEOは「AI コンピュートがどのようにファイナンスされ、配備され、拡張されていくべきかについて、新たなグローバルスタンダードを築いていきます。」と述べており、今回のモデルが他地域にも波及する可能性がある。
クオンタムソリューションズも今後、MOU内容を基に正式契約に向けた協議を進める方針を示しているため、本枠組みは資本効率を高めつつ、事業拡大を図る重要な施策として注目されるだろう。
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