noteがRSLの日本初パートナーに AI時代の権利管理を標準化へ

2025年12月9日、note株式会社(日本・東京)は、AI時代のコンテンツ権利を保護する国際団体RSL Collectiveの日本初の公式プラットフォームパートナーに選定されたと発表した。世界の主要企業が参加する同規格の国内展開が本格化する。
RSLの国内展開をnoteが主導 AI時代の利用許諾と対価還元を標準化
noteはRSL Collectiveと連携し、日本市場における※RSL(Really Simple Licensing)導入を推進する役割を担う。同団体にはRedditやYahoo、Mediumなどの大手企業が参加しており、AI企業がコンテンツを利用する際の許諾・同意・報酬支払いを自動化する国際仕様を整備している。RSLは数百万規模のウェブサイトに適用可能な分散型プロトコルであり、AI学習や生成への利用時に権利者へ適正な対価を届ける仕組みを標準化する狙いがある。
noteはこれまでもクリエイターの権利保護に向け、AI学習のオプトアウト機能の提供や対価還元の実証実験を実施してきた。2025年8月には対価還元の仕組みを本格導入し、文化庁・経済産業省の議論にも参加している。こうした取り組みが評価され、RSL Collectiveが米国で設立された直後に日本市場のパートナーとして参加をした。
今後は出版社や新聞社、メディア企業と連携し、国内でRSLを採用できる環境を整備する方針を示した。技術面・実務面の検証も進め、日本の権利者が容易に導入できる仕組みづくりを進めるという。
※RSL(Really Simple Licensing):AI企業がコンテンツ利用時の許諾・報酬支払いを自動化するためのオープンライセンス規格。分散型プロトコルを採用し、国際的な標準化を目指す仕組み。
創作の透明性を高める新標準 普及と運用の難易度が左右する行方
RSLの導入が進めば、AI企業によるデータ利用の透明化が進展し、権利者が適正な対価を受け取りやすくなると期待される。
これにより著作物の無断利用をめぐる摩擦が軽減し、クリエイターが安心して制作に取り組める環境づくりに寄与する可能性もある。
分散型プロトコルを用いた標準規格が普及すれば、日本の出版社やメディア企業が国際ルールに沿った一貫性のある権利管理を進めやすくなる点も見逃せない。
一方で、導入にはハードルも残る。RSLは技術的な実装や運用設計が複雑で、既存の権利管理システムとの整合性をどう確保するかが課題となる。
また、AI企業側の対応速度によっては、対価還元の実効性にばらつきが生じる懸念もある。国際的な標準として広く浸透するには、国内外の関係者が継続的に協調していくことが求められるだろう。
そうした中で、noteが日本市場のパートナーとして役割を果たすことで、日本のクリエイターやメディアがAI時代の新たな権利管理フレームにアクセスしやすくなる意義は小さくない。RSLの普及は、創作とAIの共存をどのように設計するかという国際的な議論に、日本が主体的に関わるきっかけとなり得る。
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