SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3連携 NFTでブランド体験を拡張し来店特典を提供

SBI VCトレードがサッポロビールと連携し、銀座の旗艦店リニューアルを記念したWeb3実証実験を開始した。応募者全員にNFTを配布し、来店者限定の特別体験を提供する取り組みとなる。
NFT配布と店舗連動でブランド体験を立体化する施策
今回のキャンペーンは、銀座の「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」のリニューアルを契機に始動した。
サッポロビールが掲げる「1杯目のおいしさ」を軸にした世界観を、Web3技術を活用して新たな体験価値の創出に挑戦する取り組みだ。
応募条件を満たす利用者には、SBI VCトレードが発行する記念NFTが付与され、Polygon(※)チェーンで管理される。
また、店舗ではNFTの受取者のみが体験できる特典として、非売品コースターの贈呈や3WAYグラスによるビール提供など、デジタルとリアルをつなぐ仕組みが成立している。
期間中は1NFTにつき毎日1回、同伴者1名まで利用できる点も特徴と言える。
キャンペーンは2025年12月25日まで、来店体験は2026年1月末まで可能であり、短期集中的にユーザー行動の変化を検証する計画だ。
※Polygon(ポリゴン):高速処理と低コストを特徴とするブロックチェーンの一種で、NFT発行に広く利用されている。
飲料業界でもWeb3活用が加速 新たな顧客接点創出の可能性と課題
今回の取り組みは、ブランドがユーザーとの関係を深化させるための新たな手法として注目できる。
NFTを介して来店行動を促す仕組みは、単なる抽選型キャンペーンとは異なり、継続的な顧客接点を形成できる点に強みがある。特に、ブランドの世界観を体験として結びつける設計は、他業種での応用も期待できそうだ。
また、企業にとってはユーザー行動の分析精度が高まり、より個別化された施策を構築しやすくなることも利点となり得る。
とはいえ、課題も無視できない。
NFT配布のタイミングや利用条件を慎重に設計しなければ、ユーザー体験が複雑化し、逆に参加障壁を生むリスクが残る。また、特典の利用が集中することで店舗オペレーションに負荷がかかる可能性は否定できず、リアルとデジタルの接点管理には高度な調整が求められるだろう。
さらに、NFTの意義が十分に浸透していない層には効果が届きにくく、ターゲットの広がりに限界が生まれる懸念もある。
とは言え、今回のように、ブランド体験そのものをNFTを軸に再構築する事例が増えれば、飲料業界に限らず体験型サービス全体で新たな顧客接点が形成されるだろう。
特に、店舗での体験とデジタル証明を紐づけるアプローチは、来店誘導やファン形成を精緻化する手段として高い評価を集めそうだ。
今回の取り組みが一定の成果を残せば、ブランド体験を“証明可能なデジタル資産”として扱う流れが加速し、企業が顧客接点を再構築する潮流の一端を担うのではないかと考えられる。
『サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR』リニューアル記念キャンペーン 特設サイト
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