ソラコムがWisoraを刷新 Teams連携とSSO対応で企業のAI活用が加速

2025年12月5日、国内通信プラットフォーム大手のソラコムがAIボットサービス「Wisora(ウィソラ)」を強化したと発表した。Microsoft Teams連携、SSO対応、Box文書の読み込み機能を追加し、企業のAIアシスタント活用を一段と広げる内容となる。
WisoraがTeams・Box連携とSSO対応で社内利用を拡大
ソラコムはWisoraの大規模アップデートを実施し、企業向け利用を前提とした複数の機能を追加した。WisoraはPDFやOfficeファイル、Webページなどを取り込み、生成AIで回答案を返すサービスで、専門知識を必要とせずボットを構築できる点が特徴である。
今回、新たにMicrosoft Teamsと連携し、社内コミュニケーションの動線上でAIボットにアクセスできる仕様を整えた。また、シングルサインオン(SSO)にも対応し、既存の認証基盤と統合することで、社内ポータル上の問い合わせ窓口を安全かつ一元的に運用できるようになる。
加えて、クラウドストレージBoxに保存された文書の読み込みにも対応し、企業が保有するナレッジ資産を直接AIボットに反映させられるようになった。
さらに、画像やPDF内の文字を高精度に認識する新OCRの先行提供も開始し、検索性と回答精度の向上が期待される。先行提供版は無償で利用可能だ。
AI問い合わせ窓口の普及進む一方、運用とガバナンス強化が鍵に
Teams対応やSSO統合は、企業の既存ワークフローを変えずにAIボットを導入できる点で大きな利点があると言える。
問い合わせ対応や社内ナレッジ検索をAIが担うことで、担当者の負荷軽減と生産性向上につながり、Box連携やOCRの精度向上も業務の幅広い場面で効果を発揮すると考えられる。
一方で、AIボットが扱う情報量が増えるほど、権限設定や情報更新の運用負荷が高まるリスクがある。特に、Teamsや社内ポータルとの統合では、閲覧範囲の管理やドキュメントの鮮度維持が必須であり、AI導入と並行してガバナンス体制の整備が求められる。
それでも、社内の問い合わせ自動化は多くの企業にとって喫緊の課題であり、Wisoraのような汎用ボットの需要はさらに拡大する可能性が高い。
ソラコムが継続的に機能を拡張することで、Wisoraが社内AIアシスタントの標準的存在になるかもしれない。











