Rakuten TVが購入型配信を全面終了へ 視聴期限は2026年末までに

2025年12月1日、日本の動画配信サービス「Rakuten TV」を運営する楽天グループは、購入型コンテンツの販売終了と視聴終了を発表した。国内サービスの大幅な仕様変更となり、視聴期限は2026年末までと案内されている。
Rakuten TVが購入コンテンツの提供を段階的に終了
Rakuten TVは、映画やドラマなどを買い切り形式で提供してきた「購入コンテンツ」について、2025年12月25日正午で販売を停止すると決定した。
発表によれば、すでに購入済みの作品も含めた視聴期間は2026年12月までとされ、期限後はアプリにダウンロードしていても再生できない仕様となる。
対象となるのは洋画や邦画、韓国ドラマ、アニメ、スポーツ、舞台など幅広いジャンルで、これらはすべて買い切り方式のカテゴリに属する。
一方、レンタル、定額見放題、ライブ配信は継続提供され、コンテンツごとに異なる権利処理方式が今後も維持される。
既に購入済みのコンテンツの視聴方法に関しては、購入履歴から個別ページへ移動することで従来どおり再生でき、視聴期限までの環境確保を重視した案内が行われている。
さらに、BL・ブロマンス・LGBTQ+関連作品については別途の提供方式を2026年内に導入する方針が示された。詳細については後日発表される見通しである。
配信方式転換の影響と課題 利用者体験と権利管理が焦点に
買い切りモデルの終了は、著作権処理や保守運用の負荷を抑えるうえで一定の合理性があると考えられる。
配信権の更新やデバイス互換の維持には継続的なコストが発生するため、動画市場がサブスクリプション中心に移行している現状を踏まえると、事業全体の最適化に寄与する側面があるといえる。
一方、ユーザーにとっては「購入=恒久視聴」という一般的なイメージとの乖離が生じやすく、デジタル所有権への不安が強まる可能性がある。視聴期限の設定は利用体験の前提を変えるもので、サービスの信頼に影響を与えかねない。
ただ、ジャンル別に新たな提供方式を準備する動きは、作品の保存や流通を柔軟に進める意図がうかがえる。特にBLやLGBTQ+分野は固定ファン層が厚く、配信形態の刷新によってコミュニティの維持や新規視聴導線の拡張が望める余地がある。
今後は、利用者への説明精度と移行設計の透明性が重要となるだろう。
購入型からレンタル・定額への置き換えが進む中で、権利管理・費用負担・ユーザー体験の三点をどう両立させるかが、動画配信サービス全体の課題として浮上すると考えられる。
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