米リップル、シンガポールで決済サービス拡大 MAS承認でエンドツーエンド提供へ

2025年12月1日、米リップル(Ripple)社は、シンガポール金融管理局(MAS)から決済サービス拡大の承認を取得したと発表した。
これにより同社は、シンガポール国内でエンドツーエンドの送金・決済ソリューションを規制下で提供できるようになる。
リップル、シンガポールで決済事業を本格拡大
リップル社は2025年12月1日、シンガポール金融管理局(MAS)から、同社子会社「リップル・マーケッツAPAC(Ripple Markets APAC)」が保有する主要決済機関(MPI)(※)ライセンスの適用範囲拡大を正式に承認されたと発表した。
これにより、同社はシンガポールの顧客に対して、国際送金から受取、清算までを一貫して行うエンドツーエンドの決済サービスを提供できるようになった。
リップルは2023年10月に同ライセンスを取得して以降、シンガポールをアジア太平洋地域(APAC)の主要拠点と位置づけて事業を展開してきた。
なお、11月27日にはリップルが開発する米ドル連動型ステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」が、アブダビグローバルマーケット(ADGM)の金融規制当局から「法定通貨参照トークン(Fiat Referenced Token)」として認定されたことも発表された。
これにより、同通貨はライセンスを受けた事業者間で公式に利用できるようになっている。
※主要決済機関(MPI)ライセンス:シンガポール金融管理局(MAS)が定める決済サービス事業ライセンス。大量送金、電子マネー発行、為替取引などを行う企業が取得を義務づけられる。
規制整備進むシンガポール、国際決済のハブとして存在感強化へ
MASは早くから暗号資産と法定通貨のブリッジ機能を重視しており、ライセンス制度を通じて信頼性の高い事業者を選別している。リップルにとっても、この環境は国際決済ネットワークの構築において重要な足場となることが期待される。
また、リップルの技術を導入する金融機関が増えれば、既存の国際送金網に代わる低コスト・高効率の仕組みが広がる可能性がある。
一方で、XRPの市場変動リスクや各国の規制方針の差異は依然として課題であるため、安定した商用展開にはさらなる法整備と国際協調が不可欠だろう。
MASの承認を得たリップルは、今後シンガポールを軸にアジア各国への決済サービス展開を加速させるかもしれない。
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