リミックスポイント、12億円規模Web3投資を中止し再エネ事業に資金転換

2025年12月1日、リミックスポイントは第24回新株予約権の資金使途を変更し、当初予定していたWeb3関連事業への投資12億円を中止すると発表した。国内市場での再生可能エネルギー事業への集中を優先する判断によるものだ。
Web3投資を断念、蓄電池・再エネ事業に資金シフト
リミックスポイントは、当初計画していたWeb3関連事業への投資を行わない決定を取締役会で承認した。
これは、同社が求める「高い成長ポテンシャル」と「期待収益とリスクの適切なバランス」を兼ね備えた優良案件の短期間での確保が困難であることが主な理由である。
同社は2025年6月に第24回新株予約権の行使により総額59億7,600万円を調達しており、そのうち47億600万円はビットコイン購入に充当済みである。残余資金のWeb3活用は見送られ、代わりに蓄電池事業や再生可能エネルギー分野に12億7,000万円を投じる方針となった。
背景には、国内におけるGX政策推進や系統用蓄電池市場の急速な拡大がある。FITからFIPへの移行に伴い、発電事業者は需給調整を通じて収益を確保する必要があり、蓄電池や再生可能エネルギー事業の重要性が増している。
同社は資金の戦略的再配分により、短期的な収益性と長期的な企業価値向上の両立を狙う。匿名組合出資など多様なスキームも活用し、早期の市場参入と大規模案件への関与を加速させる方針だ。
なお、今回の資金使途変更による当期連結業績への影響は軽微としており、今後も必要に応じて速やかに開示を行うとしている。
再エネシフトの波及効果とWeb3戦略への影響
リミックスポイントの資金使途変更は、国内再生可能エネルギー市場の拡大を追い風に事業成長を加速させる可能性がある。蓄電池事業への投資は電力系統の安定化に直結し、事業リスクを分散しながら安定収益を確保できる点が大きなメリットだ。
一方で、Web3関連事業の投資機会を逸したことは、技術革新や新規事業拡大のチャンスを逃すリスクも伴う。短期的には安全策といえるが、中長期的な成長ポテンシャルをどう補完するかが課題となるだろう。
また、今回の資金転換は、他企業にとってもWeb3投資の難易度や国内再エネ市場の魅力を示す指標となる可能性がある。資本効率を重視する投資判断が増えれば、Web3案件はさらに選別されることが予想される。
今後は、蓄電池・再エネ事業の実績次第で、同社の収益安定性が高まるとともに、将来的に余剰資金がWeb3など新規分野への再投資に回る余地も生まれると見られる。
戦略的資金配分が企業価値にどのような影響を与えるか、今後も注目したい。
株式会社リミックスポイント (開示事項の変更)第24回新株予約権(行使価額修正条項付)の資金使途変更に関するお知らせ
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