Uber Taxi、全国47都道府県展開を達成し地方・観光地にも拡大

2025年12月1日、日本のUber Japanがタクシー配車サービス「Uber Taxi」の提供地域を拡大すると発表した。同月中に全国47都道府県での展開が完了する見込みで、国内の都市部だけでなく地方や観光地での利便性向上を目指す。
Uber Taxiが1年で全国展開、戦略的提携で加速
Uber Japanは同日より、富山県、和歌山県、三重県、鳥取県、山口県、宮崎県でUber Taxiのサービス提供を開始した。15日には岩手県と佐賀県でもサービスを開始する予定で、これにより国内全47都道府県で利用可能となる。
わずか1年で全国展開を達成した背景には、電脳交通との戦略的パートナーシップがある。同社のクラウド型配車システム「DS」との連携により、全国2万2,000台のタクシーがUber Taxiに対応可能となった。
また、月額サービス「Uber One」では、乗車料金の10%相当のクレジット付与や、配達手数料無料の特典があり、幅広い利用者層の取り込みに貢献している。特にインバウンド需要に対応できる多言語対応がタクシー事業者にとって大きな利点となった。
認知度向上策も効果を上げており、2025年9月には著名俳優を起用したCMを展開し全国的な知名度を獲得した。「Uber Teens」や「Uberシニア」といった世代別サービスにより、ジュニアから高齢者まで利用可能な配車アプリとしての信頼性も強化している。
ウィンターリゾート向けの展開も行われ、北海道ニセコ町・倶知安町では12月中にサービス開始予定だ。野沢温泉村では1日から「公共ライドシェア」の運行支援が始まり、地域住民や観光客の交通利便性向上への取り組みも拡大している。
全国展開による地方交通への波及と課題
Uber Taxiの全国展開により、地域の交通利便性を底上げする効果が見込まれる。
特に公共交通が少ない地域では、選択肢の拡大が日常行動や観光活動の幅を広げる可能性がある。観光地での需要を取り込みやすくなる点も、地域経済にプラスの影響を与えるだろう。
タクシー事業者にとっては、アプリを通じた集客力向上や車両稼働率の改善が期待できる。乗務員不足が続く地域では、限られた台数でも的確に需要を捉える仕組みとして有効に働く可能性がある。
一方で、地方における需要変動への対応は課題として残りそうだ。
配車効率を保つためのデータ活用や料金調整、さらにアプリ依存による情報管理やシステム安定性の維持も運用上のポイントとなるだろう。
今後は、地域の交通政策との連携が成果を左右するとみられる。
公共ライドシェアとの補完関係の構築や、自治体との協働によるアクセス改善の取り組みが進めば、より多様な移動ニーズに応えるサービスとして定着するかもしれない。
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