EC検索がAI対話型に進化　ecbeingが新サービスで購買体験を刷新

2025年11月26日、EC構築大手のecbeingは、生成AIを活用した新しいサイト内検索「デジサルAIサーチ」を公開した。商品・記事・コーディネートを横断して提案できる点が特徴で、導入企業では注文率が平均約3.6倍に伸びたという。

ecbeingが生成AI検索を正式提供　EC回遊と注文率に大きな効果

ecbeingは、生成AIによる会話型検索機能「デジサルAIサーチ」を新たに提供し、ECサイト内の探索行動を包括的に支援する仕組みを構築した。
従来型検索が抱えていた「あいまいなキーワードに弱い」「コーディネートや記事コンテンツの検索に対応できない」という制約を解消し、利用者の質問意図を読み取りながら、あらゆるコンテンツを一体で提示する点が特徴である。

従来は類義語登録や辞書整備など運営者側の負荷が重かったが、AIにより運用コストの削減も実現する可能性がある。

導入企業10社を対象とした調査では、AIとの対話形式で商品を絞り込める点が購買意欲を高め、注文率が平均3.6倍に向上したという。
ギフト需要のように要件が曖昧なケースにも対応し、サイト内コンテンツの活用率向上に寄与する点も特徴である。
導入は検索ボタンの追加とタグ設定のみで完結し、最短1週間で稼働可能としている。

AI検索がもたらす効率化と収益拡大　精度リスクと競争激化に注意

AIによる横断検索の広がりは、EC事業者にとって複数のメリットをもたらすだろう。
中でも最も大きいのは、回遊性と購買率の向上だと予測できる。
用途に応じた商品・記事・コーディネートが提示されるため、探索プロセスが短縮され、購買までの心理的負荷が下がるはずだ。
購入直前に発生しやすい「送料」「納期」などの疑問に即応できる点も、離脱率の低減に寄与すると考えられる。

一方で、AIが提供する情報の正確性には課題が残るだろう。
特に、サイズ選択や素材比較など判断がシビアな領域では、誤情報が購買トラブルにつながる可能性がある。企業には、AI回答ログの検証や、応答の透明性確保といった継続的な品質管理が求められそうだ。

将来を見据えると、AI検索はECにおける標準機能として定着する可能性が高い。
さらに、コンテンツ活用度の向上により、メディア機能とEC機能の境界が一段と薄れ、サイト全体の収益構造が変化する展開も想定される。
ecbeingがデモ環境を無償提供し導入の裾野を拡大していることを契機に、競合各社の参入も加速し、AI検索を中心とした体験競争が本格化するかもしれない。

ecbeingが新たな生成AI活用サービス「デジサルAIサーチ」を提供開始～サイト内検索を生成AIが最適化～

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