バリュークリエーションが1億円でビットコイン取得 余剰資金を暗号資産に

2025年11月25日、東京のバリュークリエーション株式会社(東証グロース)が1億円分のビットコインを追加取得したと公表した。
取締役会決議に基づくもので、次期事業投資までの余剰資金をデジタル資産として一時運用する方針を示した。
1億円で7.057BTCを取得 余剰資金をデジタル資産に振り向ける
バリュークリエーションは11月25日開催の取締役会において、約1億円の暗号資産を追加購入することを決議し、同日中にビットコイン7.057BTCを取得した。
平均取得単価は1BTCあたり約1,417万円となり、購入総額は99,999,884円に達する。今回は、余剰資金の一時的な運用手段として、暗号資産を投資先として採用した。
同社は、ビットコインの市場環境が大きく変化してきた点を重要視している。
2021年に過去最高値をつけた後、2023年にはブラックロックを含む大手金融機関がビットコインETF(※)を申請し、機関投資家の参加が進んだことで市場の評価構造が変わりつつあると判断したとのことだ。
単なる投機対象ではなく「デジタルゴールド」としての信認が高まり、長期的な成長が見込まれる点を投資判断に織り込んでいると見られる。
また、同社は必要に応じて保有資産を換金し、事業キャッシュとして活用する可能性も示した。
四半期ごとの時価評価に基づき、評価損益は損益計算書に反映される予定であり、今後の変動次第では業績への影響が開示される可能性がある。
※ビットコインETF:ビットコイン価格に連動する上場投資信託。現物ETFは実際にビットコインを保有して価格に連動させる。
企業のBTC保有は拡大するか 財務戦略としての利点とリスク
今回の追加購入は、国内上場企業によるビットコイン保有の広がりを象徴する動きと言える。
余剰資金の運用手段としての魅力が高まる一方、企業会計における暗号資産の評価方法が明確化したことで取り扱いのハードルが下がり、実務面での導入が進みやすくなっている。
値動きの大きさは依然として懸念点だが、現物ETFの拡大などにより市場の流動性と透明性が向上している点はメリットとして挙げられそうだ。
ただし、企業が短期的な評価損益を抱えるリスクは無視できない。ビットコインは市場サイクルの振れ幅が大きいため、四半期ごとの時価評価によって利益が変動しやすい。
特に株主に対して財務の安定性を説明する立場にある上場企業にとって、この変動性は一定の管理コストを伴う。また、事業投資までの期間が短い場合、価格調整の影響を受ける可能性も残る。
一方で、長期的には企業財務の多様化を促す効果も期待できる。
国内市場でも同様の動きが広がれば、Web3分野への理解促進や企業金融の新たな選択肢という面で波及効果が生まれそうだ。
ビットコイン市場の成熟度が今後どこまで高まるかが、企業の保有拡大を左右する要因になるだろう。
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