下野新聞社公認VTuber「栃宮るりは」が市内周遊企画に登場 宇都宮の観光回遊をデジタル強化へ

栃木県宇都宮市の下野新聞社は、公認VTuber「栃宮るりは」を起用した周遊型LINEスタンプラリー「るりはとあるっ旅in宇都宮」の開始を発表した。
デジタル特典を活用した市内周遊施策として展開される。
栃宮るりはが宇都宮4拠点を巡るスタンプラリーに参加
2025年11月27日、下野新聞社は、セブンドリーム・ドットコムが企画する宇都宮市周遊型LINEスタンプラリー「るりはとあるっ旅in宇都宮」に参画すると発表した。
同企画では、同社公認の栃木県ご当地VTuber「栃宮るりは」をメインキャラクターに据え、都市回遊を促すデジタル施策の一環として展開される。
本スタンプラリーは、宇都宮観光案内所、宇都宮フェスタ、宇都宮オリオンスクエア、下野新聞本社の4拠点を対象とする有料企画である。
参加者は各地点に設置された二次元コードを読み込むと、栃宮るりはの直筆コメント画像や応援ボイスといったNFT形式のデジタル特典を受け取れる仕組みになっている。
下野新聞社は、地域密着型メディアとしてVTuber活用に踏み出し、若年層を中心とした新たな来訪者層の開拓を狙う。
同社は「郷土とともに明日をひらく 人と地域をつなぐ共感のパートナー」という姿勢のもと、地域コンテンツを核とした観光誘客の実証的取り組みとして本企画を位置づけている。
また、今回の施策を単発で終えるのではなく、市や企業との連携を広げながら栃木県の観光資源の発信に継続して取り組む方針を示している。
地域IP活用の広がりと観光促進への期待と課題
今回の取り組みは、地域発のVTuberというキャラクターIPを観光導線づくりに活用するモデルとして注目できる。
ファンコミュニティを地域へ誘導できれば、グッズ購入や飲食消費などの経済効果が見込める。
特にデジタルネイティブ層を呼び込む効果は大きく、地方都市にとって新しいプロモーション施策になるだろう。
一方で、デジタル特典のNFT化は一定の理解を必要とするため、参加へのハードルになる可能性がある。
現地参加型イベントとしての体験価値をどう伝えるかが、リピート率や継続施策の成否を左右すると考えられる。
また、VTuber依存の企画はファン層の動向に影響されやすいため、中長期的には地域文化との接点をどれだけ広く築けるかが課題となるだろう。
持続的な観光誘客には、キャラクター施策と実際の地域体験を結びつける地元事業者との協働が不可欠である。
今後は、自治体や観光団体によるデジタル施策との連動が期待され、スタンプラリーを起点にした回遊プラットフォーム構築の可能性も広がりそうだ。
地域IPを核とした取り組みが定着すれば、宇都宮のみならず他地域にも応用され、観光DXの一例として評価されるかもしれない。
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