クオンタムソリューションズ、イーサリアム追加取得で5030ETH到達

日本の東証スタンダード上場企業クオンタムソリューションズが、暗号資産イーサリアム(ETH)の追加取得を発表した。
連結子会社GPTパルススタジオによる純購入を含め、同社の総保有量は5030.72ETHに達し、日本企業として最大規模の保有量となった。
クオンタムソリューションズ、362ETH超を追加購入し保有量拡大
2025年11月25日、クオンタムソリューションズは、イーサリアムの追加取得を実施したと明らかにした。
発表によれば、連結子会社である香港法人GPTパルススタジオが、10月31日から11月24日の期間に362.55ETHを純購入した。
取得額は109万5,058ドルで、日本円換算では約1億7,083万円となる。
さらに、この期間中にステーキング報酬として0.03ETHを得ており、合計で362.58ETHの増加となった。
これにより、同社のイーサリアム総保有量は11月24日時点で5,030.72ETHに到達した。
総取得額は1,998万3,548ドル(約31.2億円)となり、平均取得単価は3,972.31ドルとされる。
また、暗号資産データサイトのコインゲッコーによると、今回の追加取得を経て同社は世界で15番目のイーサリアムDAT(デジタル資産トレジャリー)(※)企業として位置付けられる。
同ランキングの16位には、同じく日本企業であるデフコンサルティングが入っている。
今回の取得には、同社が2025年10月14日に発行した第13回・第14回新株予約権および第4回無担保転換社債で調達した資金が活用された。
クオンタムソリューションズは、今後もイーサリアムを中心としたデジタル資産の取得を戦略的に進める意向を示している。
※DAT(デジタル資産トレジャリー):企業が保有する暗号資産を財務戦略として管理する手法や枠組みの総称。
国内企業のDAT戦略が加速する可能性とリスクの両面
クオンタムソリューションズのイーサリアム取得は、日本企業がデジタル資産を財務戦略の中心に据える動きの象徴と言える。
一方で、暗号資産価格の変動性は依然として大きいため、企業の財務健全性に一定のリスクをもたらす可能性もある。
特に、暗号資産市場の短期的な下落局面では、含み損が財務指標に影響する場面も想定される。
しかし、DAT戦略を採用する企業が増えることで、市場への参加主体が広がり、国内におけるデジタル資産活用の裾野は広がるかもしれない。
企業が保有するETHがステーキング収益を生み出す点は、従来資産にはない特徴であるため、長期的な運用による付加価値の創出が期待できそうだ。
さらに、クオンタムソリューションズのような上場企業が積極的に取得を進める姿勢は、他の国内企業にとって参考指標となり得る。
DAT企業としての存在感が高まることで、海外投資家からの注目が集まる可能性もある。
とはいえ、市場環境に応じたリスク管理が不可欠であり、デジタル資産に依存しすぎないバランスの取れた財務戦略が求められると言える。
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