博報堂キースリー、広告業界初のSolanaバリデータ運用開始 Web3実装加速へ一歩

株式会社博報堂キースリーが米国発の高速ブロックチェーン「Solana」のバリデータノード運用を開始したと発表した。日本の広告会社として初の取り組みである。
広告会社がSolana基盤に直接参画、実用化へ向け姿勢強化
2025年11月25日、博報堂キースリーは、Solana(ソラナ)チェーンの取引検証やネットワーク維持を担うバリデータノード(※)の運用を正式に開始した。
日本の広告会社によるバリデータ運用は初めてであり、従来マーケティング領域に限られてきた広告企業がブロックチェーンインフラに直接関与する、先進的な取り組みである。
同社は1年以上にわたり、国内開発者向け教育プログラムや企業向け勉強会などを通じてSolanaエコシステムとの接点を深めてきた。その過程で、Solanaが持つ高速性と低コストといった技術的優位性に加え、実用的なユースケース拡大への高い可能性を認識したという。
グローバルでは決済分野を中心に導入が加速しており、VisaがUSDC清算ネットワークとしてSolana対応を公表したほか、StripeもSolana上でのUSDC決済対応を発表するなど、世界的企業による採用が広がっている。
国内でもブロックチェーン技術の社会実装が本格化するなか、同社はSolanaを有力な基盤技術と判断し、エコシステムへのコミットメント強化を目的に今回の運用開始に踏み切った。
技術パートナーにはSolana特化型事業者であるDawn Labsを選定しており、インフラ構築から保守・運用まで、安定稼働に必要な体制構築を支援している。
※バリデータノード:ブロックチェーン取引の正当性を検証し、ネットワーク維持に貢献するサーバー。Solanaでは高速処理が求められるため、高性能かつ安定運用が重要。
実装拡大の起点に 企業支援や財務戦略への応用も視野
博報堂キースリーによるSolanaバリデータ運用開始は、広告会社がインフラ層へ直接関与するという点で画期的だ。
従来はマーケティング支援が中心であったが、ブロックチェーン基盤への参画により、企業のWeb3実装を技術面から支えられる体制強化につながるだろう。
高速性・低コストに優れるSolanaを採用した判断は、今後拡大が見込まれる決済やアプリ開発領域での優位性につながり得る。
一方で、広告会社にとってインフラ運用は未知の領域であるため、安定稼働やセキュリティ確保には高度な技術知識と継続的な投資が求められそうだ。
運用負荷が高く、障害発生時の対応力も問われるため、自社単独では限界が生じる可能性が高い。そのため、Dawn Labsとの連携体制の質が事業継続性を左右すると見られる。
今回の取り組みは、広告会社がWeb3領域で提供できる価値の転換点となる可能性がある。バリデータ運用を起点に、企業向けにリアルタイムデータ活用やトークンエコノミー設計支援が拡大すると見込まれる。
今後は、他業界への波及も考えられるため、将来的には広告企業がインフラレベルでの技術パートナーとなるかもしれない。
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