IQの韓国ウォン連動ステーブルコインKRWQ、Baseで取引急増し1億円規模に

暗号資産プロジェクトIQは、韓国ウォン連動型ステーブルコイン「KRWQ」の累計取引高が10月30日のローンチから2週間で10億ウォン(約1億円)規模に達したと公表した。
IQとFraxが共同開発した韓国ウォン建て通貨で、米L2「Base」上で流通する初のウォン連動型ステーブルコインとなる。
KRWQ取引高が2週間で10億ウォン突破、Base初のウォン建て通貨
2025年11月19日、IQは1韓国ウォンに連動するステーブルコイン「KRWQ」の累計取引高がローンチから2週間で10億ウォンを超えたと発表した。
KRWQは10月30日に公開された通貨で、IQとステーブルコイン発行企業Fraxが共同開発した法定通貨裏付け型の韓国ウォン建てステーブルコインである。
KRWQは、米Coinbaseが提供するイーサリアムL2「Base」上で流通する初の韓国ウォン建てステーブルコインとなる。
公式サイトによると、11月19日時点の発行残高(総供給量)は1億6,583万KRWQ(約1,780万円)だ。
同通貨はFraxが構築したクロスチェーン型ステーブルコイン基盤「FraxNet」を活用して発行されており、既存の米ドル連動型ステーブルコイン「frxUSD」と同様のモデルが採用されている。
さらにKRWQは、LayerZeroが提供するOFT標準を採用し、複数チェーン間での移動に対応する。
Stargateブリッジを通じ、チェーン間の価値移転を統一された流動性で処理できる設計となっている。
IQは、取引高がローンチ直後から増加した背景として、韓国ウォン建てステーブルコインに対する市場ニーズの存在や、Base上でKRWQ-USDCプールへの報酬インセンティブが提供された点を挙げている。
現在、KRWQの発行と償還はKYCを完了した適格カウンターパーティーに限定されており、対象は暗号資産取引所、市場形成者、機関投資家パートナーなどに限られる。
現時点では韓国居住者向けには提供されていない。
※OFT(Omnichain Fungible Token):LayerZeroが提供するマルチチェーン対応トークン標準で、異なるブロックチェーン間をシームレスに移動できる仕様。
KRWQの普及余地と制度面の制約による市場への影響
KRWQは複数チェーンに対応し、流動性プールのインセンティブ施策が整っている点から、海外ユーザーにとって扱いやすい設計になっていると評価できる。
為替リスクを抑えたウォン建て資産を国際的に利用できるメリットは、韓国国外の投資家やDeFiユーザーにとって利便性を高める可能性がある。
一方で、普及に向けては課題も存在する。
発行・償還が適格カウンターパーティーに限定されている点は、一般利用までの距離を感じさせる要因になりうる。
韓国居住者向けに提供されていない点も、ウォン建て通貨としての原点を考えると、市場拡大の制約となりそうだ。
また、ステーブルコインとして、裏付け資産の透明性や管理体制が継続的に評価される必要があるだろう。
こうした流れの中でKRWQがどこまで規模を拡大できるかは、流動性施策やユーザー接点の拡張、各国の制度環境にどのように適応していくかが重要になると見られる。
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