ヤフオク、スニダン連携で高額商品の鑑定サービスを開始

2025年11月19日、LINEヤフー株式会社が運営する「Yahoo!オークション」は株式会社SODA提供の「スニーカーダンク」と連携し、高額商品向け鑑定サービスを開始した。偽造品や取引トラブルのリスク軽減を目指す取り組みである。
Yahoo!オークション、高額商品に鑑定サービス導入
新サービスでは、入札開始価格2万円以上のトレーディングカード(シングルカード)や5万円以上のトレーディングカード(ボックス・パック)、ファッション、アクセサリー・時計を対象とする。対象ブランドは257にのぼり、幅広くカバーする点が特徴だ。
スニーカーダンクは年間数百万点の鑑定実績と、正規品・偽造品のデータベースを活用し、鑑定精度99.97%を誇る。出品者が商品を発送すると、同社による真贋鑑定が行われ、正規品と確認されたもののみ「鑑定済バッジ・シール」が付与され落札者に届く仕組みである。
従来のオンラインCtoC取引では、鑑定費用や入金の遅延が利用のハードルとなっていた。
しかし今回のサービスでは、鑑定料や送料は出品者・落札者双方の負担が原則なく、出品者は従来通りの発送だけで正規品証明が可能で、商品が鑑定所から落札者へ発送された時点で売上金を受け取れる体制となる。
Yahoo!オークションでは偽造品や不正取引防止のため、AI監視や出品規定の徹底、ストア審査・本人確認など既存の対策も継続している。今回の鑑定サービス導入により、安全・安心な取引環境のさらなる強化を目指す。
鑑定サービス導入で広がる安心取引と潜在的リスク
鑑定サービスの導入により、ユーザーは偽造品リスクを大幅に抑えられ、取引トラブルも減少するとみられる。
特に高額商品の取引では、落札者の信頼感向上と出品者のブランド価値維持が期待できる。これにより、Yahoo!オークションの高額商品市場の活性化も見込まれる。
一方で、鑑定業務の集中や過信による判断ミスが発生した場合、トラブル拡大のリスクも残る。鑑定精度は高いものの完全ではなく、出品者・落札者双方の理解と協力が不可欠となる。
また、無料提供の現状はサービス利用促進に有利だが、将来的に有料化されれば利用者のハードルが再び上昇する恐れがある。費用負担や鑑定対象の限定により、サービス浸透速度が左右されることも考えられる。
それでも、鑑定サービスの普及が進めば、オンラインCtoC市場全体の信頼性向上につながる可能性が高い。安全な取引環境が定着すれば、リユース市場の拡大や新たなブランド参入も後押しされるだろう。
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