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    IG証券、暗号資産ETFのCFD取引終了へ 金融庁見解受け2カ月で停止

    2025年11月17日、IG証券が暗号資産ETFを原資産とするCFD取引の提供を終了すると発表した。
    金融庁が10月末に示した見解を受けた対応で、日本国内では暗号資産ETF関連商品の制度整備が遅れる実情が浮き彫りになっている。

    目次

    金融庁の見解受け、暗号資産ETFのCFD取扱いを停止

    IG証券は17日、米ブラックロックが運用するビットコイン現物ETF「IBIT」とイーサリアム現物ETF「ETHA」を原資産としたCFD取引を終了すると明らかにした。

    9月30日に取扱いを開始したばかりで、開始から2か月以内での提供終了となった。
    CFD取引は実際にETFを保有する必要がなく、価格差のみをやり取りする仕組みで、レバレッジは最大5倍としていた。

    終了の理由となったのは、金融庁が10月31日に公表した「金融商品取引業等に関するQ&A」だという。
    この中で、海外で組成された暗号資産ETFを原資産とするデリバティブ商品について「投資者保護の観点から望ましくない」との見解が提示されたことで、類似商品の扱いが一段と難しくなっている。

    IG証券は今後の対応として、12月1日に新規建て注文の受付を停止し、2026年1月31日の取引終了時点で残存ポジションを強制決済すると通知した。
    保有者には期限までの自主的な決済を呼びかけている。

    同社は税務当局にも課税区分を確認し、当該CFD取引が総合課税の対象になるとの回答を得ている。
    これまで一部ではFXと同様に申告分離課税となる可能性も指摘されていたが、税制上の扱いも整理された形になる。

    暗号資産ETF市場への影響は

    今回の発表は、海外のETF商品を原資産としたデリバティブ取引をめぐる国内制度とのずれを改めて示したと言える。
    金融庁は現時点で暗号資産ETFそのものの国内組成・販売を認めておらず、日本市場では関連商品の提供環境が整っていない。

    今回の取扱い終了は、国内投資家にとって暗号資産ETFへのアクセス手段が狭まるというデメリットがある。
    海外ETFを利用したデリバティブ取引は、現物を直接購入するよりも少額で取引でき、レバレッジを活用しやすい点が魅力とされてきた。
    これが制限されることで、短期運用を志向する投資家にとっては選択肢が減る可能性がある。

    一方で、金融庁が示した見解は市場の安定性向上を目的としたものであり、一定のリスク抑制につながるとの見方もできる。
    暗号資産ETFを巡る制度は国際的にも発展途上で、海外商品を国内投資家向けにどう扱うかは慎重な判断が求められる領域だ。

    今後の焦点は、国内で暗号資産ETFをどのように位置づけ、どの段階で組成や提供を認めるかに移る。
    暗号資産ETFの扱いは今後の市場成長を左右するテーマであり、規制の方向性次第では国内投資環境が大きく変化する可能性があると言える。

    IG証券 ニュースリリース

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