グーグル、テキサスのAIデータセンター整備に400億ドル投資 AI基盤強化へ

2025年11月14日、米グーグルはテキサス州で新たに400億ドルを投資すると発表した。
AI関連インフラとクラウド基盤強化を目的に、同州アームストロング郡とハスケル郡で大規模データセンター整備を進める計画である。
グーグルがテキサスでAI向けデータセンター網を拡大
グーグルは2027年までにテキサス州へ400億ドルを投資し、新たなデータセンターキャンパスを建設する方針を示した。
同社は15年以上同州で事業を展開してきたが、今回の発表はその中でも最大規模のものとなる。
アームストロング郡とハスケル郡に新しいデータセンターキャンパスを設置する予定も含まれている。
今回の計画では、クラウドとAI処理を支える電力調達面の強化も盛り込まれている。再生可能エネルギーを中心に6200メガワット超の発電容量を確保済みで、特にハスケル郡の新データセンターには太陽光発電と蓄電池設備が併設される見通しだ。
また、エネルギーイニシアチブの拡大と加速を目的とした 3,000 万ドルの新規「エネルギーインパクト基金」を設立した。
加えて、グーグルはインフラ建設を担う労働力育成のため、電気工事の技術者育成を支援する。
電気技術者養成プログラム「electrical training ALLIANCE」と連携し、2030年までに1700人以上の見習い技術者を育成する計画だ。
AI競争を見据えた投資拡大 地域経済の追い風もリスクも
テキサス州への大規模投資は、AI計算需要の急増が背景にある。グーグルは大規模言語モデルや生成AIの訓練・推論に必要な計算資源を国内に確保することで、米国がAI分野で主導権を維持する基盤を整えたい考えだとみられる。
国内にデータセンター網を蓄積することで、供給網リスクの低減や技術優位性の確保にもつながると言える。
地域経済への波及効果も期待される。データセンター建設は設備投資が大きく、周辺地域の雇用創出につながる可能性が高い。
特に電気工事や建設業、再エネ関連産業の活性化が見込まれ、長期的には関連企業の誘致効果も波及するとみられる。
一方で、リスク要因も存在する。大量の電力消費を伴うデータセンターが急増することで、州の電力インフラへの負荷が高まる懸念がある。
再エネ導入や蓄電設備の併設はその対策として有効だが、電力需給が逼迫する時期には調整が必要になる可能性がある。
また、地域コミュニティとの調和や環境負荷の軽減といった課題は今後も継続的な検討を要すると考えられる。
それでも、今回の投資はAI競争が激化する中で米国の技術基盤を強化する戦略的な一歩であり、テキサス州はAIインフラの主要拠点としての地位を一段と固めることになりそうだ。
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