米モバイル決済「キャッシュアップ」がソラナ基盤USDC導入へ BTC機能も拡張

2025年11月14日、ソラナは米ブロック傘下のモバイル決済「キャッシュアップ」において、ソラナ基盤USDCによる決済機能を2026年初頭に導入することを発表した。
加えてビットコイン関連機能も拡張され、ライトニングネットワーク対応の決済環境が大きく強化される。
キャッシュアップがUSDC導入とBTC決済強化を発表
11月14日、モバイル決済サービス「キャッシュアップ(Cash App)」に採用されるステーブルコインがソラナ基盤USDC(※)であることをソラナ公式が公表し、2026年初頭の提供開始が示された。
キャッシュアップは11月13日、ステーブルコインを使った送受信機能の提供を予定していると発表しており、今回はその基盤が明らかになった形だ。
今回の対応は、キャッシュアップにおける11のアップデートと150以上の改善をまとめた「キャッシュアップ・フォール・リリース」に含まれるものである。
このリリースではビットコイン決済の拡張も実施された。
ライトニングネットワークを利用した高速決済サービス「ビットコイン・ペイメンツ・ウィズUSD」が提供開始され、米ドル残高からライトニング経由の決済を数秒で実行できるようになった。
さらに、地図上でスクエア加盟店やBTC対応店舗を検索し、そのままライトニング決済を行える「ビットコイン・マップ」も実装された。
今月後半には、ライトニング対応QRコードを読み取ったのち、米ドル残高から低コストで支払える機能の追加も予定されている。
一方、規制上の理由から、USDC送受信とBTC関連の一部機能は米国外およびニューヨーク州では利用不可とされている。
※USDC:米ドル価値と連動するステーブルコイン。複数チェーンに対応し、ソラナ版は高速処理と低手数料が特徴。
高速・低手数料決済が普及促進へ 市場拡大と規制リスクが両在
ソラナ基盤USDCの導入は、キャッシュアップの決済速度と手数料減少に直結する見込みがある。
ソラナは高スループットと低コストを特徴とし、既存の暗号資産送金と比べ決済体験の向上が期待される。
ライトニングネットワークの機能強化と組み合わせることで、同サービスは暗号資産決済の日常利用をさらに後押しする可能性が高い。
利用者にとってのメリットは、国際送金やマイクロペイメントのコスト削減と即時性だ。とりわけUSDC送受信が加われば、法定通貨とほぼ等価の価値で安定した送金ができ、暗号資産に不慣れなユーザーでも扱いやすくなると考えられる。
また、ビットコインを保有せずともライトニング決済が利用できる点は、実利用の障壁を大きく下げる。
ただし、規制リスクは依然として残る。暗号資産取引に関する各州の規制は統一されておらず、USDC機能やBTC決済の提供範囲が制限される可能性がある。
それでも、キャッシュアップがUSDCとライトニング双方を強化した点は、暗号資産決済の実用化を大きく前進させる動きだ。
決済インフラとしての暗号資産がどこまで普及するか、その試金石となるアップデートと言える。
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