イオレがBTC約2億円取得を公表 J-CAMとDAT共同運用で新体制へ

2025年11月14日、東証グロース上場のイオレがビットコイン(BTC)の追加購入と、J-CAMとのデジタルアセットトレジャリー(DAT)共同運用開始を発表した。
国内の暗号資産金融領域でトレジャリーとレンディングを本格化させる戦略が進展している。
イオレがBTC追加取得、DAT共同運用でも新体制に移行
イオレは11月14日、ビットコインの追加取得を公表した。
同社は11月7日から14日にかけて、約13.2815BTCを1億9,999万9,468円で購入した。
平均取得単価は約1,505万8,500円で、累計保有量は約50.677314BTCへ増加している。
累計平均単価は約1,678万7,709円となった。
今回の購入は「Neo Crypto Bank構想」を進めるうえで必要な初期トレジャリー運用の一部であり、新株予約権の行使が進んだことが背景にある。
同構想は、DeFiへのアクセスを含む次世代型の金融プラットフォーム創出を目指す取り組みである。
イオレは8月に公表した中期経営計画で、暗号資産金融事業を中核に据えたことを公表している。
自社保有による暗号資産トレジャリーと、暗号資産レンディングを2本柱に据え、保有資産の価格上昇だけでなく、運用収益を得るモデルへの転換を示している。
さらにイオレは今回、10月に提携したJ-CAMとの枠組みを具体化させた。
今回の発表で、子会社Neo Crypto Bank合同会社(NCBC)とJ-CAMがデジタルアセットトレジャリー(DAT)の共同運用を正式に開始したことが明らかにされている。
DAT体制強化で期待される収益機会と統制面の課題
DATの共同運用開始により、イオレの暗号資産金融事業は運用基盤の専門性と独立性を高め、資産積み上げを効率化できる可能性がある。
特にJ-CAMは、レンディング事業を通じて実務運用の知見を蓄積しているため、NCBCにこれらを継承できれば、価格アクセスや受渡・保管といった実務適合性の向上が見込まれる。
DATの循環的な成長モデルも描きやすくなるだろう。
一方で、共同運用の枠組み強化は、内部統制やリスク管理の負荷も増大させ得る。
資金決済法や金融商品取引法をはじめとする規制遵守に加え、AML/CFTを含むリスク管理体制の高度化は必須であるため、事業拡大の速度とのバランスが課題となりそうだ。
出資持分の50%をJ-CAMへ譲渡し制度上の独立性を高めた点は、透明性と説明責任を確保する狙いがあると考えられるが、運用判断の一体性をどう担保するかについては今後も注目したいところだ。
とはいえ、今回の取り組みは国内企業による暗号資産の本格運用モデルとして一定の先行事例になると考えられる。
市場環境の変動リスクを抱えながらも、収益機会を広げる姿勢は、企業の資産運用戦略に新たな可能性を提示するかもしれない。
株式会社イオレ 「Neo Crypto Bank構想」におけるビットコイン(BTC)追加取得のお知らせ
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