ZETAがEC向けAIチャット「ZETA TALK」提供開始 検索エンジン強化へ独立プロダクト化

2025年11月17日、CX向上AIソリューションを展開するZETAは、ECサイト向けAIチャット「ZETA TALK」を提供開始したと発表した。同社の検索エンジン拡張機能を独立製品化したもので、RAG(検索拡張生成)連携による開発効率向上を狙う。
ZETA TALKが検索連携を拡張 ECチャット需要に独自対応
ZETAは、同社のEC商品検索エンジン「ZETA SEARCH」で提供してきたチャット拡張オプションを基盤に、独立製品「ZETA TALK」を立ち上げた。
ZETA TALKは、 高度なRAG(※)連携を実現し、開発期間の短縮を可能にする。
同社はAIチャット市場そのもののシェア獲得ではなく、ZETA SEARCHの販路拡大を主眼に据えていると説明する。
この方針により、他社AIチャット製品とのRAG接続も積極的に進める姿勢を示している。ユーザーの経緯や背景を考慮したコンテキスト検索が求められる中、従来のキーワード検索以上に検索エンジンの強みが発揮されるという。
さらに、クチコミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」との連携も予定されている。
※RAG(検索拡張生成):外部データベースを検索した結果を基に生成AIが回答を作成する手法。情報の正確性と文脈整合性を高められる点が特長。
EC検索の競争環境が変化 RAG対応で精度向上も導入判断は分かれる
ZETA TALKの登場は、EC領域での検索体験を再構築する可能性を持つ。
とくにRAG連携により、既存のECデータベースと生成AIの回答を滑らかにつなぐ仕組みが整備され、ユーザーの質問意図をより正確にとらえる検索体験を生み出すと予測される。これにより、購買導線の短縮や離脱率の改善が見込まれる効果がある。
一方で、導入企業には明確な選択が求められる。ZETA TALKはZETA SEARCHとの相性が高い一方、多様な他社チャットボットとも連携可能であるため、既存システムとの整合性やデータ管理体制を慎重に見極める必要が出てくるだろう。
AIチャットは企業ごとに求められる精度や応答の方針が異なるため、RAG構築の設計次第で成果が大きく変わるリスクも残る。
また、検索とAIチャット統合の最適解はまだ定まっていないという懸念もあり、ユーザー行動の多様化に応じて柔軟なシステム構成を維持する重要性が増していると言える。
ZETA TALKはその選択肢を広げる存在になる一方で、企業側には運用設計の巧拙が問われると考えられるだろう。
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