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    米SECがトークン分類の新基準を検討 証券か商品の線引きを明確化へ

    2025年11月12日、米証券取引委員会(SEC)がデジタル資産の法的位置付けを整理する「トークン分類」基準の検討に入る見通しを示したとロイターが報じた。
    発言したのはポール・アトキンス委員長で、米フィラデルフィア連邦準備銀行の会合で明らかにしたものだ。

    目次

    SECがデジタル資産の法的位置付け整理に向け前進

    米SECのポール・アトキンス委員長は、デジタル資産を証券(セキュリティ)と商品(コモディティ)のどちらとして扱うべきかを判断するため、新たな分類基準「トークン分類(token taxonomy)」の策定を検討すると述べた。
    これは、証券法や商品取引法に照らして、どの規制が適用されるかを判断する際の根拠となる枠組みだ。
    発言は11月12日に行われたフィンテック関連の年次会合で、暗号資産業界が長らく要望してきた“線引きの明確化”に前向きな姿勢を示したことになる。

    アトキンス氏は、「私たちの法律や規制には限界がある」とし、既存の枠組みが追いついていない現状を認めた。
    そのうえで、今後数カ月以内に委員会内で正式な検討が始まる可能性が高いと語った。

    背景には、トランプ政権の政策方針がある。トランプ大統領は選挙期間中から暗号資産業界への支持を示しており、規制の見直しを進める姿勢を強調してきた。
    主要企業から長年批判されてきた規制の方針についても、明確な改善を約束している。

    またアトキンス氏は、投資契約に該当するデジタル資産に対して、より柔軟な募集制度を認める「免除措置パッケージ」の検討にも言及した。
    これは米議会で進む法案と足並みを揃えるもので、市場構造の改善と規制負担の軽減が狙いとされる。

    分類基準の制定は透明性向上へ ただし市場リスクの再整理も不可避

    トークン分類が実現すれば、デジタル資産を扱う企業や投資家にとって、法的リスクの見通しが大きく改善するだろう。
    特に、証券と見なされるかどうかはプロジェクトの資金調達手法や上場可能性に直結するため、透明な基準が整うメリットは大きい。
    SECの判断基準が明確化すれば、企業が事前にコンプライアンス戦略を立てやすくなり、市場の健全化につながると考えられる。

    一方で、基準が明確になることで、これまで曖昧だった領域がより厳しい扱いに移る可能性がある。
    その結果、手続きや説明義務が増え、小規模な取り組みにとっては負担が大きくなり得る。

    また、関係する組織間で役割を調整する必要が生じ、制度づくりが長引く懸念もある。
    制度の拙速な導入は市場に混乱を招く可能性もあるため、慎重な設計が求められる。

    とはいえ、規制の透明性が高まれば、暗号資産市場に対する投資家の信頼が回復し、企業の参入環境が整うという期待も大きいと言える。

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