Googleフォトの生成AIに6つの新機能追加 Nano Banana統合も

2025年11月11日、米GoogleはGoogleフォトのAI機能を大幅に拡充したと発表した。
編集・生成・検索にAI機能が追加され、米国ほか100超の地域で順次提供される予定だ。
写真編集・生成・検索がAIで大きく進化
Googleは、Googleフォトで利用できるAI機能を6項目にわたって刷新した。
まず、顔グループを参照して人物の特徴を自然に補正する「パーソナライズド編集」が強化され、サングラスの除去や笑顔の補完が指示だけで実行できるようになった。
編集内容を自然文で指定する機能もiOSに拡大し、操作性を高めている。
生成系では、Geminiの画像編集モデルであるNano Banana(※)がフォトエディタに統合された。
「ルネサンス風に描いて」「タイルモザイク風に」などといった指示をするだけで、多彩なスタイル変換を適用できる。
また、新設された「Create with AI」タブでは、人気テーマを元に生成できるテンプレートを提供し、プロンプト作成が苦手な利用者でも容易に活用できる。
近日中には、個人の趣味や写真履歴を学習した「パーソナライズドAIテンプレート」も米国で展開される予定だ。
検索分野では、自然言語で検索できる「Ask Photos」が100超の国と17言語に拡大する。
さらに、画像閲覧中に内容を質問できる新しい「Ask」ボタンが加わり、写真内の情報抽出や関連シーンの提示がより直感的に行えるようになる。
※Nano Banana:GoogleのGemini系イメージモデル。高精度のスタイル変換や生成編集に対応し、GoogleフォトやAndroid向けに最適化されている。
生成AIの日常定着が進展 利便性向上も誤編集リスクに注意
今回の拡張は、写真アプリにおける生成AIの標準化を一段と後押しする。
特に、Nano Bananaによる高度なスタイル変換や、Ask Photosの多言語化による検索効率拡張は、個人用途からビジネス利用まで幅広い波及効果が見込まれる。
旅行やイベントの写真加工はもちろん、SNS向け素材の生成、業務記録写真の検索効率化など、多様な場面で利便性が高まると考えられる。
一方で、人物の表情補正や背景生成が高度化するほど、意図しない編集や不自然な加工が起きる可能性がある。
また、個人テンプレートが導入されることで、ユーザーデータの扱いに関する透明性がより重要になるだろう。
Googleは処理の多くをハードウェア分離環境で実行すると説明しているが、ユーザー側の理解が伴わなければ誤解を招く懸念も残る。
それでも、編集・生成・検索が単一アプリで統合される今回のアップデートは、写真管理体験を大きく塗り替えるものであり、今後のAIフォトサービスの基準を形作る動きになると言える。
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