ビットマインがイーサリアム追加取得 総保有数350万ETH突破

2025年11月10日、米ビットマインイマージョンテクノロジーズがイーサリアム(ETH)の追加取得を発表した。
総保有量は約350万ETHに達し、企業として世界有数のイーサリアム保有者となっている。
ビットマイン、保有ETHが総供給量の2.9%に到達
ビットマインは11月10日、直近1週間で11万288ETHを追加購入したと公表した。これにより同社が保有するイーサリアムは3,505,723ETHに達し、暗号資産全体の資産総額は132億ドル(約1兆9,800億円)規模になったとされる。
今回の購入前から同社はすでに大規模なETH保有者として知られており、追加取得によってその地位がさらに強まった形だ。
同社の資産構成はETHに加え、192BTC、米ナスダック上場企業エイトコ・ホールディングスの株式6,100万ドル分、そして約3億9,800万ドルの現金を含む。
特にETHの比率が突出しており、ビットマインの投資戦略がイーサリアム中心に構築されていることがはっきり示される内容と言える。
ビットマインは、戦略的目標として、イーサリアム供給量の5%を企業として保有する計画である「アルケミー・オブ・5%」を掲げている。
トム・リー会長はイーサリアム保有量が全供給量の約2.9%を占めるに至ったと述べ、「アルケミー・オブ・5%」構想について「折り返し地点を超えた」と語った。
ビットマインはNYSEアメリカン上場企業として、暗号資産の保有額ではビットコインを最大保有するストラテジーに次ぐ世界第2位に位置しており、上場企業としては最大のETH保有者となる。
ファンドストラットによれば、同社株式(BMNR)は直近5日間の平均出来高が16億ドルに上り、取引量ランキング48位の高水準となっている。
ETH集中戦略の影響 市場支配力強化も価格変動リスク残す
ビットマインによる大規模なETH蓄積は、イーサリアム市場に対して明確な影響力を持ちうる。特に供給量の数%を単独企業が保有する状況は、市場心理や流動性に直接作用する可能性がある。
メリットとしては、ビットマインが5%保有を達成した場合、企業の財務基盤として強固なデジタル資産ポジションを確立できる点が挙げられる。
特にETHはステーキングによる利回りやレイヤー2拡大による需要増が見込まれており、中長期的な価値向上が期待されやすい。
一方で、市場が過度に集中することで、流動性の偏りや急激な売却時の価格下落といったリスクも避けられない。
また、ETHの大量保有は規制面でも注目される動きだ。
ビットマインが今後どの程度まで保有を拡大するのか、規制動向と合わせて見守る必要があると考えられる。
ビットマインの積極姿勢は他の機関投資家にも波及する可能性がある。機関レベルでのETH保有が進めば、市場の成熟度向上や長期的な価格安定につながる一方、競争的な蓄積合戦が進む懸念もある。
ビットマインの動きは、企業による暗号資産保有の新たな指標となりうるだろう。
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