フラッタウェーブ、アフリカ国際送金をポリゴンとステーブルコインで高速化へ

2025年10月30日、アフリカ市場に特化した決済大手フラッタウェーブが、米ポリゴンラボと提携し国際送金にステーブルコインを導入すると発表した。
USDCとUSDTを用いたリアルタイム決済基盤を提供し、アフリカ各国の送金インフラを大幅に近代化する狙いがある。
アフリカ広域でリアルタイム送金を可能にする新基盤
フラッタウェーブはアフリカ34か国以上で決済ネットワークを展開する大手プラットフォーマーである。
国境を跨ぐ支払いの高速化が課題となっていたが、今回、ポリゴンラボとの提携により、ステーブルコインを活用した新たな国際決済レールの構築に踏み切った。
フラッタウェーブはポリゴンのブロックチェーンネットワークを活用し、企業と個人がUSDCおよびUSDTを使って送金・受取・決済を完了できる仕組みを整える。
従来の国際送金では、銀行間の手続きによる遅延が発生していたが、この基盤により決算時間の短縮が可能になる。
取引時間の短縮のみならず、企業・国際送金事業者(IMTO)が複数国間で資金を移動する際には、流動性の確保も期待できる。
また中小企業にとっても、海外サプライヤーへの支払いに伴う待機期間が短くなるメリットがあるという。
個人向け領域でも、同社アプリ「センドアップ(Send App)」に統合されれば、海外家族への送金が低コストかつ迅速に完了する運用が実現する見通しだ。
今回のステーブルコイン基盤は2025年に企業向けパイロットを開始し、2026年には中小企業および個人向けサービスへ拡大される予定である。
送金効率化が広域経済を押し上げる一方、規制面の課題も残る
ステーブルコインの導入は、アフリカの国際取引に大きな変革をもたらすと見られる。特にアフリカでは決済インフラの未整備や外貨調達の不安定性が経済活動の制約となってきた。
今回の取り組みにより、安定的なドル建て価値をリアルタイムで移動できる点は、企業や個人の経済行動に直接的なメリットをもたらすと言える。
一方で、ブロックチェーンを活用した国際送金には、規制当局の整備状況によって導入速度が左右されるリスクも存在する。
フラッタウェーブは複数国で金融サービスライセンスを保有しているものの、国ごとのルールが統一されていない現状では、展開のスピードに差が出る可能性がある。
それでも、アフリカの決済市場は急拡大しており、国際送金の低コスト化は域内経済に大きな波及効果をもたらすと考えられる。
送金効率の向上が中小企業の国際取引を押し上げ、金融アクセスの向上につながれば、アフリカ発のデジタル経済圏形成が加速する見通しだ。
今後は規制調整とユーザー教育が進むことで、このステーブルコイン基盤が広域の決済標準において先行事例となる可能性がある。
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