KDDIがHashPortと資本業務提携 万博実績活用し決済連携を拡大へ

2025年11月11日、KDDIはWeb3ウォレット開発を行うHashPortとの資本業務提携を正式に発表した。
KDDIは10月24日に契約を締結し、第三者割当増資を引き受けて株式20%超を取得した。
大阪・関西万博で採用されたウォレット技術を基盤に、国内でのWeb3サービス実装を進める。
KDDIとHashPortが提携しポイントと暗号資産の交換を開始
2025年11月11日、KDDIはWeb3ウォレット開発企業のHashPortとの資本業務提携を公表した。
提携自体は10月24日に締結されたもので、KDDIはHashPortの第三者割当増資を引き受け、株式20%超を取得して持分法適用会社とした。
大阪・関西万博で提供され、累計100万ダウンロードを記録したEXPO2025デジタルウォレットを開発・運用した技術力を評価した格好だ。
両社はKDDIの通信・決済・会員基盤と、HashPortのWeb3技術を組み合わせ、デジタル資産領域の共同開発を強化する。
協業の第1弾として、HashPort WalletとPonta、au PAYを連携させ、ポイントと暗号資産を相互に交換できる新サービスを12月1日から提供する。
Pontaポイントをステーブルコインや暗号資産に交換する機能に加え、暗号資産からau PAYギフトカードへの交換にも対応し、取得したギフトカードはau PAY マネーライトにチャージ可能となる。
KDDIのオープンイノベーション推進本部舘林俊平副本部長は「Web3ウォレットによるデジタル資産へのスムーズなアクセスが新たな体験価値を創出する未来に大きな可能性を感じています」とコメントした。
また、HashPortの吉田CEOも「今回の提携により、HashPort WalletはKDDIグループの幅広いサービスや顧客基盤と連携して、日本におけるデジタル資産の利用者層を飛躍的に拡大させることができる」と述べている。
通信とWeb3連携が決済圏を拡張 普及へは安全性確保も鍵に
今回の提携を通じて、通信企業の巨大な顧客・決済網とWeb3ウォレットが統合することで、デジタル資産の実利用が前進するかもしれない。
特にPontaやau PAYといった既存サービスが暗号資産とシームレスにつながれば、ユーザーが意識せずともWeb3に触れられる機会が増えるはずだ。
利便性の高さはデジタル資産利用の裾野を広げ、新たな決済体験やロイヤリティ設計にも波及しうる。
一方で、デジタル資産の交換を日常決済に組み込むには、価格変動リスクやセキュリティ対策、ユーザー保護といった課題も残る。
特にステーブルコインの取り扱いは、金融規制との整合性が問われるため、ガバナンス強化が不可欠になるだろう。
通信事業者が関与することで安全性は一定程度担保されるものの、普及には透明性の高い運用が求められると言える。
総じて、今回のKDDIとHashPortの連携モデルは、他の通信・金融事業者にも影響を与える可能性がある。
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