ストラテジー、ビットコイン487BTCを追加購入 企業財務戦略を強化

2025年11月10日、ビットコイン保有額で世界最大の上場企業ストラテジー(Strategy)は、487BTC(約77億円相当)の追加購入を発表した。
これにより同社の総保有量は約64万1,692BTCに達し、取得総額は約7.3兆円規模となる。
ストラテジー、77億円でBTCを追加取得 平均取得額は1,143万円
ストラテジーは11月3日から9日にかけて、総額約4,990万ドル(約77億円)で487BTCを新たに取得した。手数料・経費を含めた1BTCあたりの取得単価は約10万2,557ドル(約1,582万円)とされる。
これにより同社が保有するビットコイン総量は64万1,692BTCとなり、取得総額は約475億4,000万ドル(約7.3兆円)に達した。
平均取得単価は7万4,079ドル(約1,143万円)で、現在の市場価格(約10万6,930ドル=約1,650万円)を上回るパフォーマンスを維持している。
2025年累計で、同社のビットコイン投資収益率(ROI)は26.1%に達した。
一方で、夏以降の相場鈍化により、同社株の評価倍率(mNAV)は低下している。
10月30日に発表された2025年第3四半期決算では、営業利益39億ドル(約6,001億円)、純利益28億ドル(約4,001億円)と、前期の100億ドル(約1.5兆円)から減益となった。
それでもビットコインへの長期保有戦略を堅持する姿勢は変わらず、同社は依然として「企業トレジャリーの新たな形」を象徴する存在である。
※mNAV(market Net Asset Value):市場で評価された純資産価値。株価と保有資産の評価額の乖離を測る指標。
企業財務における「ビットコイン本位制」加速か 分散投資と収益圧迫の綱引き
ストラテジーの追加購入は、企業財務におけるビットコインの地位を改めて示す動きといえる。
BTCトレジャリー戦略は、企業がドル資産から暗号資産へ一部移行する流れを定着させつつある。
ただし、暗号資産をバランスシートに組み込むことは価格変動リスクを抱える。
特にBTCはボラティリティが高く、評価損が利益を圧迫する可能性もある。
ストラテジーのような大口保有企業は市場心理にも影響を与えるため、売買動向が価格変動要因となる点も無視できない。
とは言え、BTCを準備資産とする戦略は、通貨分散の観点からも注目できる。
特に金利動向やドル高局面では、ビットコインを通じた資産の非相関性が有利に働く可能性がありそうだ。
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