北紡、ビットコインを追加購入 総保有数9.25BTCに拡大

2025年11月5日、東証スタンダード上場の繊維メーカー北紡(旧北日本紡績)は、10月中に2.41BTCを追加取得したと発表した。
これにより同社の総保有量は9.25BTCとなり、RWA(実物資産トークン化)事業への本格参入が加速している。
北紡、1か月で2.41BTCを追加取得 累計購入額は約1億6千万円に
北紡は2025年10月1日から31日の間に、2.41BTCを総額4,216万7,157円で購入したと明らかにした。
平均取得単価は1,749万6,745円で、同社の総保有量は9.25BTCに達した。累計購入額は1億5,878万8,325円、平均取得単価は1,716万6,305円である。
同社は今年5月、暗号資産およびRWA関連事業への参入を表明している。
7月22日にはビットコイン購入の開始を予告していた。
発表当初から総額8億円を上限にビットコインを取得する方針を示し、ドルコスト平均法(※)を用いて継続的に購入している。
8月7日時点で、同社は市場変動がない限り毎営業日200万円相当のビットコインを購入するとしており、実際に取得を進めている。
8月8日には国内取引所ビットトレードとWeb3および暗号資産事業に関する基本合意書(MOU)を締結した。
グリーンエネルギー分野も含めた協業体制を構築している。
※ドルコスト平均法:価格変動に関係なく定期的に一定金額を購入する投資手法。価格が高いときは少なく、低いときは多く買うことで平均取得価格を平準化する。
ビットコイン購入が示す経営戦略 繊維産業からWeb3企業への転換加速
北紡の動きは、地方製造業がWeb3ビジネスへ転換を図る象徴的な事例といえる。
国内上場企業の中でも際立っており、繊維業という伝統産業からデジタル資産運用へと事業領域を拡げつつある点に注目できる。
ドルコスト平均法による長期的なBTC保有戦略は、価格変動リスクを抑えつつ資産価値を安定化させる狙いがあるとみられる。
RWA分野への関心が高まるなか、同社のWeb3参入は製造業の新たな資金循環モデルを提示するものでもある。
繊維業から得た収益を暗号資産やトークン化資産へ再投資することで、事業の多角化とデジタル化を両立する構想だと考えられる。
一方で、仮想通貨市場は依然として価格変動が激しく、資産評価の不確実性も残る。
特にビットコインを企業資産として保有する場合、会計処理やリスク管理の透明性が求められるだろう。
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