NTT東西、光回線に月額2.2円のユニバーサルサービス料新設 2026年1月から適用

2025年11月7日、NTT東日本とNTT西日本は光回線利用者を対象に「ブロードバンドユニバーサルサービス料」を新設すると発表した。離島や山間地などの通信インフラ維持を目的とし、2026年1月から1回線あたり月額2.2円を徴収する方針である。
ブロードバンド維持へ新負担 光回線1回線あたり2.2円を徴収
NTT東日本とNTT西日本は、「ブロードバンドサービスに関するユニバーサルサービス制度」の導入に伴い、光回線契約者から新たに「ブロードバンドユニバーサルサービス料」を徴収する。
開始時期は2026年1月、料金は1回線あたり月額2.2円(税込)が設定される予定である。
この制度は、改正電気通信事業法(令和四年法律第七十号)に基づき、地理的条件や人口減少により採算が悪化している地域のブロードバンド網を維持するために創設された。
NTT東西などの通信事業者が、支援機関である一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)を通じて費用を拠出する仕組みとなる。
対象となるのは「フレッツ 光ネクスト」と「フレッツ 光クロス」のFTTH(光ファイバー)サービスであり、固定回線ユーザーが中心となる。
初年度の2026年は3月利用分のみが請求対象となる見込みで、2027年以降の具体的な請求期間や金額は総務省の認可を経て改めて公表される。
NTT東日本は本制度の下で、今後もブロードバンドのユニバーサルサービスの維持に努める姿勢を示している。地方部を含めた安定的な通信環境の確保を重視する方針だ。
低額負担で過疎地支援、通信維持と公平性のバランス
1回線2.2円という極めて低額のユニバーサルサービス料は、一般利用者に大きな負担を強いない点でメリットがある。通信事業者にとっては、過疎地の光回線維持費用を分散して確保できる仕組みとなり、地域間格差の縮小に寄与する可能性が高い。
一方で、利用者に請求が発生する点では、料金体系の複雑化や理解不足による混乱も想定される。特に複数回線を保有する事業者や家庭では、総額として増加分が見えにくく、透明性の確保が課題といえる。
また、過疎地維持への資金が通信事業者間で適切に配分されるかどうかも注目点だ。
支援機関による調整や総務省の認可により、地域間で公平に負担が行われることが前提となるが、今後の運用次第では地域格差の是正効果が限定的になる可能性もある。
長期的には、この低額負担による安定的な収益確保が、過疎地における高速通信網の維持と将来的なサービス拡充を後押しするだろう。
利用者の理解促進や支援機関の透明な運営が制度成功の鍵となり、地域社会全体のデジタルインフラ強化につながると考えられる。
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