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    カナダ政府、ステーブルコイン規制法案を導入へ 2025年度予算案に新制度を明記

    2025年11月4日、カナダ政府はステーブルコインの発行と運用を規制する新法案を導入する方針を発表した。
    2025年度の連邦予算案に盛り込み、国内のデジタル決済の安全性と金融システムの信頼強化を目指す。

    目次

    カナダ、ステーブルコイン発行を法制化 中央銀行が監督

    カナダ政府は2025年度の連邦予算案に、ステーブルコイン(※)発行を法的に管理する新制度の創設を盛り込んだ。
    目的は、カナダ国内でのデジタル通貨の安全性と信頼性を高めることにある。
    新法案では、発行者に対して資産準備の維持・管理を義務付け、償還ポリシーの策定、リスク管理フレームワークの導入、個人情報保護および国家安全保障上の措置を求める内容が明記された。

    制度の監督機関には中央銀行であるカナダ銀行(Bank of Canada)が指定され、初期費用として2年間で1,000万ドルを拠出する。
    その後の運営費は発行者負担とする仕組みを採用する。
    あわせて政府は、小売支払活動法(Retail Payment Activities Act)を改正し、ステーブルコインを用いた支払サービス事業者も監督対象に加える方針を示した。

    この法案は、2026年導入予定のリアルタイム決済基盤「Real-Time-Rail」と連携し、国家レベルでの決済インフラ近代化を進める柱と位置付けられている。
    コインゲッコーのデータによれば、ステーブルコイン市場は現在約3,091億ドル(約47.5兆円)規模に達しており、米財務省は2028年までに約2兆ドル(約307兆円)に拡大すると予測している。

    ※ステーブルコイン:米ドルなどの法定通貨に連動するよう設計された暗号資産。価格変動が小さいため、決済や送金などの用途で普及が進んでいる。

    制度整備で信頼と競争の両立を模索 金融システム近代化の試金石に

    今回のカナダ政府の法制化方針は、ステーブルコイン市場の急拡大に対応しつつ、国家の金融システムを安定させる狙いがあると考えられる。
    発行者への厳格な資産管理義務は、消費者保護と金融犯罪防止の観点で有効に働く一方で、参入ハードルを上げる可能性もある。
    特に、中小規模の発行者にとってはコンプライアンス対応のコスト増が課題となるだろう。

    一方、明確な法的枠組みが整うことで、企業や金融機関が安心してデジタル通貨サービスを提供できる環境が整う見込みだ。
    カナダは規制明確化によって、国際的な信頼性を高めつつ、国内外の事業者を呼び込む狙いを持つとみられる。
    こうした制度整備は、民間と公共が共に金融のデジタル化を推進する基盤となりうる。

    カナダが打ち出した制度改革は、この成長市場の中で金融安定性と国際競争力をいかに両立させるかを示す試金石になるだろう。

    Department of Finance Canada CANADA STRONG BUDGET 2025

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