レッツコーポがクマ対策AIカメラ発売 自動検知し回転灯等で警告

2025年11月6日、通信機器メーカーのレッツ・コーポレーション(名古屋市)は、人工知能(AI)でクマを識別し、検知すると回転灯やスピーカーで警告する防犯カメラ「AI熊さんカメラ」を発売すると発表した。家庭用と業務用ともに、7日から予約販売を開始する。
AIでクマを識別し即警告 山間地域の「安心」を支える新技術
レッツ・コーポレーションは、AIを活用したクマ検知カメラ「AI熊さんカメラ」を発売する。
検知用と録画用の2台構成で、AIが映像からクマを識別すると屋内に設置した回転灯やスピーカーを自動で作動させる仕組みだ。
設定を変更すれば、シカやイノシシなどにも対応できる。参考価格は付属品込みで12万3200円。
事業所には、検知距離が約100メートルに拡大した業務用モデルも販売する。
自動で上下左右に首を振る構造で、参考価格は43万7800円となる。
これらの製品は、自動車ナンバー解析などAI画像認識に強みを持つ同社の既存技術を応用して開発された。
全国でクマによる人身被害が増加する中、同社は「不安を抱えながら暮らす人々に少しでも安心を与えられれば」としている。
家庭用と業務用をあわせて年間1000台の販売を目標とし、山間部の民家や事業所などでの導入を見込む。
AI防犯が拓く共存社会 課題は誤検知とコストバランス
AIによる動物検知技術は、人と自然の共存を支える新たなインフラとして注目できる。
従来は監視映像を人の目で確認する必要があったが、AIカメラの導入により、危険を即時に把握し避難を促すことが可能になった。
特に夜間や人手の少ない地域では、防犯と防災を両立できる点が大きな利点である。
一方で、誤検知や維持コストの課題も無視できない。暗所や悪天候では動作精度が落ちる場合もあると考えられ、価格面でも家庭用12万円台は一般ユーザーにとって容易ではないだろう。
普及の鍵は、AIの学習精度向上とともに、自治体補助などの制度整備にありそうだ。
長期的には、同技術がシカやサルなど多様な動物対応へ発展し、全国の過疎地や登山道、キャンプ場などにも展開される可能性がある。
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