OpenAI、IPO観測を正式否定 CFO「当面の選択肢にない」と研究開発を重視

2025年11月5日、米OpenAIのサラ・フライヤー最高財務責任者(CFO)は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催のイベント「テック・ライブ」で講演し、新規株式公開(IPO)は「当面の選択肢にない」と明言した。報道で高まった上場観測を明確に否定した形だ。
OpenAI、上場の可能性を否定 「利益よりも成長と研究を優先」
OpenAIのCFOであるサラ・フライヤー氏は、IPO観測について「当面は選択肢にない」と明言した。米ウォール・ストリート・ジャーナルが主催したイベント「テック・ライブ」での発言で、短期的な収益よりも研究開発と成長戦略を優先する方針を明確にした。
フライヤー氏は、同社が実施した組織再編についても上場準備を意味するものではないと説明。
ロイター通信は先月、複数の関係筋の話として「OpenAIがIPO準備を進めており、企業価値は最大1兆ドルに達する可能性がある」と報じていた。しかし、同社からの正式なコメントは得られていない。
※IPO(Initial Public Offering):企業が株式を新たに公開し、証券取引所に上場すること。資金調達や企業価値向上を目的に行われる。
上場先送りの背景と波紋 技術主導の独立性か、資金調達の制約か
OpenAIがIPOを見送った背景には、短期的な株主価値よりも技術革新を優先する経営判断があるとの見方が広がっている。
生成AIの進化が加速する中で、資本市場の要求に縛られず、長期的な研究投資を続ける体制を維持する意図があるとみられる。
特にマイクロソフトやグーグル、アマゾンなど大手が巨額のAI投資を進める現状では、自由度の高い意思決定が競争力につながる可能性がある。
一方で、IPOを通じた資金調達の機会を逃すリスクも指摘される。
OpenAIはマイクロソフトの出資で急成長を遂げたが、生成AIの開発競争が激化するなか、安定した資金基盤を確立しなければ持続的な研究開発が難しくなる懸念もある。
資金力を重視するか、独立性を維持するかという選択は、同社にとって長期的な経営課題といえる。
OpenAIはもはや研究機関ではなく、AI社会基盤の一部としての責任を負う段階にあるのではないかとの見解もあるなか、社会的影響の拡大に伴い、ガバナンスや透明性の確保をどう両立させるかが注目点だ。
IPOの見送りは現時点での方針にとどまり、事業の成熟度や規制環境の変化次第では、将来的に上場の可能性を再検討する余地も残されている。
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