ビットマイン、イーサリアム約339万ETH保有 上場企業で最大級の暗号資産戦略

2025年11月3日、米上場企業 BitMine Immersion Technologies(以下、ビットマイン)がイーサリアム(ETH)の追加取得を発表し、総保有量は約339万ETHに達したと公表した。
世界の暗号資産保有企業のなかで最上位クラスの保有量となる。
ビットマイン、イーサリアム保有を「5%目標」へ加速
ビットマインは11月3日、直近1週間で約8万2,353ETHを追加取得したと発表した。
これにより同社の保有額は137億ドル(約2兆円)規模に達した。
11月2日時点での資産構成は、イーサリアム3,395,422ETH、ビットコイン192BTC、上場企業の株式持分6,200万ドル相当、現金3億8,900万ドルとのことだ。
同社はイーサリアムの全供給量(発行済みETH全体)の約2.8%を保有しており、「5%取得」を目指す「アルケミー・オブ・5%(Alchemy of 5%)」構想の進捗が「半分以上」に到達したと会長のトム・リー氏が述べている。
ビットマインは米国の証券取引所NYSE Americanに上場しており、上場企業としてのイーサリアム保有量では世界第1位だ。
また、暗号資産保有総額ベースでは、ビットコインを最多保有するストラテジーに次ぐ世界第2位との位置づけである。
さらに、株式(ティッカー:BMNR)は米国内でも取引量の多い銘柄として注目されており、11月1日時点での5日間平均出来高は15億ドル(約2,278億円)で、米株式取引量ランキング60位相当となっている。
企業のイーサ戦略がもたらす利点と潜在リスク
イーサリアムはステーキング(※)やスマートコントラクト基盤としての成長が期待されており、それを企業のバランスシートに組み込むことで長期的な資産収益化や価値上昇を狙える。
「5%目標」という大胆な備蓄方針は、希少性と影響力の観点から市場の注目を集めやすいだろう。
一方で、過度な集中投資という側面は無視できない。ETH価格の変動、ステーキングを前提にした戦略の収益実現性、そして流動性の確保という点でリスクも伴う。
また、企業が暗号資産を大量保有することで市場全体のセンチメントを左右する可能性があり、規制や市場制度の変化による影響が出た場合には逆風となりうる。
今後、ビットマインがETH保有量をさらに拡大しステーキングによる収益化を実現すれば、企業モデルとして「ETHトレジャリー企業」の先駆けとなりうる。
とはいえ、暗号資産保有を核とした企業運営モデルはまだ試行の段階であるため、多角的な備えと継続的なモニタリングが不可欠と言える。
※ステーキング:保有暗号資産をネットワークの維持に参加させることで報酬を得る仕組み。
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