ゲッティイメージズとパープレキシティが包括提携 AI検索に高品質画像を正式提供

2025年10月31日、米ゲッティイメージズとAI検索エンジンのパープレキシティが、複数年にわたる包括的な画像ライセンス契約を締結した。
ゲッティの正規ライセンス画像がパープレキシティ上で使用可能になることにより、著作権表示の透明化と検索体験の質向上が期待される。
AI検索にゲッティの正規画像統合 著作権表示と信頼性を強化
ゲッティイメージズ(Getty Images)は、世界有数のビジュアルコンテンツマーケットプレイスとして、報道・クリエイティブ両分野で高品質な写真素材を提供してきた。
今回の契約により、パープレキシティ(Perplexity)は自社のAI搭載検索・探索サービス全体において、ゲッティの画像を正規ライセンスのもとで利用できるようになる。
この提携は、ゲッティのAPI技術を通じてパープレキシティの検索結果や回答生成フローに直接統合される。
これにより、検索内容に応じて関連性の高い報道・商用画像を提示できるようになり、視覚的な理解を伴う検索体験の向上が実現する見込みだ。
ゲッティのストラテジック開発担当副社長ニック・アンズワース氏は、「本契約は、両社間の生産的で協力的なパートナーシップの基盤を築くものだ」とコメントした。
一方、パープレキシティ側のコンテンツ責任者ジェシカ・チャン氏は、「AI時代において、人々が世界を理解する上で、帰属と正確性は根本的に重要である」と強調している。
AI生成と著作権の共存モデルに 業界標準化への一歩となるか
今回の提携は、生成AI分野で進む「無断利用」問題に対し、法的整備を伴う解決策の一例を示した点で意義深い。
ライセンス契約を通じて、AI検索が権利者を明確に示し、適正な報酬を還元する仕組みを形成することは、今後のAI産業全体の信頼基盤を支える要素となるだろう。
メリットとしては、検索体験の精度や信頼性が高まり、コンテンツクリエイターにとっても権利保護と収益化の両立が可能になる点が挙げられる。
特に企業向けAIサービスでは、法的リスクを回避しながら高品質な画像を使用できることが競争優位につながり得る。
一方で、AI事業者側にはライセンス費用や契約管理のコストが増大するリスクもある。AI生成の自由度と法的遵守のバランスをいかに取るかが次の焦点となるだろう。
とはいえ、今回の動きは「創作の尊重」と「AI活用」の両立を目指すモデルケースとして、他社への波及も期待できそうだ。
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