マイクロソフト、UAEに152億ドル投資 エヌビディアGPU輸出許可を追加で正式取得

2025年11月3日、米マイクロソフトはアラブ首長国連邦(UAE)への総額152億ドル(約2.3兆円)規模の投資計画を発表した。AIおよびクラウド基盤の拡張を本格化させる。
マイクロソフト、G42と連携しAI基盤強化へ
マイクロソフトは2023年に始動したUAEでのAI開発プロジェクトを拡大し、2029年までに152億ドルを投資する計画を明らかにした。
内訳は、既に開始されている73億ドルの投資と、2026〜2029年に予定される79億ドルで構成される。
既存の支出には、UAEの国営AI企業G42への15億ドル出資や、AI・クラウドデータセンター建設費46億ドルなどが含まれる。
同社は米商務省からエヌビディア製GPUの輸出ライセンスを取得しており、A100・H100・H200シリーズを中心に2万1500基相当をUAE国内に導入済みである。
さらに、最新のGB300 GPU6万400基分の追加輸出も許可された。これにより、OpenAIやAnthropicなどが開発する生成AIモデルの運用をUAE国内で行える体制が整う見込みだ。
マイクロソフトは今回の投資を「技術・人材・信頼」の三本柱と位置づけている。
UAEの生成AI利用率は59.4%と世界首位であるため、今後の需要増大に対応するためにも、AI・クラウドの供給力強化を優先課題としているようだ。
マイクロソフトはG42およびモハメド・ビン・ザーイドAI大学と共同で「Responsible AI Future Foundation(RAIFF)」を設立し、倫理・ガバナンス面での国際基準づくりを主導している。
また、米・UAE両政府の監督下で策定された「Intergovernmental Assurance Agreement(IGAA)」により、輸出管理・データ保護・AI責任制を含む包括的な監査体制を整備している。
AI人材育成と倫理基盤整備で中東の中核拠点に
今回の投資は、マイクロソフトが中東地域をAI開発の戦略拠点とみなしている表れであると言える。
現地ではエンジニア育成や教育支援が進み、2027年末までに100万人を対象としたスキル育成プログラムも始動した。
アブダビにはAI研究拠点「AI for Good Lab」も設置されており、地域特有の課題を解決するAIモデルの開発が進んでいる。
一方で、米国からの先端半導体輸出には安全保障上のリスクも伴う。
AIが経済成長を牽引する一方、国家間の技術的信頼を支えるルール形成が不可欠になると考えられる。
UAEが安全保障上のバランスを保ちつつ中東のAI中核拠点へと進化できるかが、今後数年の焦点になりそうだ。
Microsoft ニュースリリース
関連記事:
OpenAI、NVIDIA、ソフトバンクGなどがUAEでAI国家インフラ構築へ 中東のAI拠点に












