モブキャストHD、5,000万円超でソラナ取得 Web3領域でバリデーター事業始動

2025年10月28日、東証グロース上場のモブキャストホールディングスは、暗号資産ソラナ(SOL)の取得を開始したと発表した。
取得額は総額5,000万円超で、28日時点で1,735SOLを保有。今後は10,000SOL規模の体制構築を目指すとしている。
ソラナ保有1,735SOL超に バリデーター事業本格始動へ
モブキャストホールディングスは、10月24日および28日に暗号資産ソラナ(SOL)を取得し、合計で1,735SOLを超える保有を確認した。
総額は5,000万円超にのぼるが、取得単価や平均コストについては独自の運用方針に基づき非公開としている。
同社は、今後展開を予定するソラナ・バリデーター(※)事業に向け、10,000SOL規模の保有を早期に整える方針を示している。
取得は段階的に実施される予定で、同社のトレジャリー戦略の一環に位置付けられている。
モブキャストHDは10月3日、新事業「ソラナ・トレジャリー事業」の開始を発表しており、15日には新株予約権の第三者割当で調達する資金5.5億円のうち、5億円をSOL購入に充当する計画を明らかにしていた。
さらに23日には、暗号資産取引所ビットポイントと業務提携を締結。これにより同事業の実行体制が整い、24日付でSOLの取得を正式に開始した。
当初の購入期間は2025年11月から2026年10月とされていたが、同社は想定より早い段階での取得開始に踏み切った。
これは同事業推進体制が整ったためとしている。
また同社は17日、ソラナ基盤を活用した新構想「ソーシャルインパクトパスポート(SIP)」の実証フェーズ移行を発表。
SIPは、ファンの社会貢献活動をNFTとして可視化し、社会的価値と企業成長の両立を目指すプロジェクトである。
※バリデーター:ブロックチェーン上で取引の正当性を検証し、ネットワーク運営に貢献するノード(参加者)のこと。報酬として暗号資産が与えられる。
SOL戦略の先行投資 国内上場企業のWeb3参入加速の兆し
今回のソラナ取得は、モブキャストHDがWeb3領域で中核的な地位を狙うための布石とみられる。
ソラナは高い処理速度と低コストを特徴とするブロックチェーンであり、NFTやDeFi(分散型金融)など多用途での拡張性が評価されている。
これを基盤とするバリデーター事業は、ネットワークの維持と報酬獲得を両立できる持続型の収益モデルだと言える。
同社が進めるSIP構想との連動も注目点である。
ファン活動を可視化するNFT発行基盤にソラナを採用することで、取引効率と環境負荷の低減を両立できる可能性がある。
一方で、暗号資産価格の変動リスクは依然として高いため、取得額5,000万円超という投資判断には慎重な監視が求められるだろう。
特に、バリデーター運営に伴う技術的障壁や運営コストが収益性にどう影響するかが、今後の焦点となりそうだ。
それでも、国内上場企業としてソラナを本格的に保有・運用する動きは先行的であり、Web3領域への資本投入が新たな潮流を形成する可能性がある。
今回のモブキャストHDの一連の動きは、国内企業のデジタルアセット戦略が「保有から活用」へと移行しつつある象徴的な事例といえる。
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