NEC、Z世代向けAIノート「LAVIE SOL」発表 生成AIをローカル処理、学習するPCへ

2025年10月28日、NECパーソナルコンピュータはAI機能を強化した13.3型モバイルノートPC「LAVIE SOL」と「LAVIE N13 Slim」を発表した。生成AI処理をローカルで実行できる設計を採用し、Z世代のライフスタイルに最適化された機能を備える。
生成AI処理を内蔵NPUで実行 Z世代向け「LAVIE SOL」登場
LAVIE SOLは、マイクロソフトのCopilot+ PC(※)に対応するZ世代向けノートPCである。
上位モデルにはNPU(Neural Processing Unit)を内蔵したIntel Core Ultraシリーズ2を搭載し、クラウドを介さずローカルで生成AI処理や「リコール」機能を実行できる。
13.3型WUXGA(1,920×1,200ドット)のIPS液晶を採用し、タッチ操作に対応。バッテリ駆動時間は従来比約1.5倍の最大17.7時間と長時間化を実現した。
キーボードには「Copilotキー」に加えて独自の「LAVIE AI Plusキー」を新設し、AIチャット機能「LAVIE AI Plus」へ即アクセスできる。AIが利用傾向を学び、操作の最適化を支援する「LAVIE AI Plus Hint」も新たに搭載された。
スマートセンシングによる自動ロック・解除、YouTubeショートカットキーなど日常的な利便性も重視。重量は約1.2kgで、ムーンブラック、プラチナシルバー、フェアリーパープルの3色を展開する。
NEC Direct限定モデルではSSD 1TBやCore Ultra 7 256V構成などのカスタムオプションを選択できる。
同時発表の「LAVIE N13 Slim」はRyzen 7000シリーズを採用し、約15mmの薄型設計とMIL規格準拠の堅牢性を両立。AIキーを標準装備した。
※Copilot+ PC:マイクロソフトが定義する、NPUを搭載しローカルで生成AI処理を行うWindows次世代PCの総称。
AIキーが開く“パーソナルAI時代” 支援精度とデータ管理が課題に
NECの新モデル「LAVIE SOL」は、AIを従来の補助的存在から、ユーザーと共に成長する仕組みとして活用する点に特徴を持つ。操作履歴を学習して使い方を提案する「LAVIE AI Plus Hint」は、ユーザー体験の最適化を目指した設計であり、これまでの「使われるAI」から「使いこなすAI」への移行を意識した取り組みとみられる。
こうしたAI支援は、動画編集やレポート作成、SNS発信など、多様な創作活動の効率化を後押しする可能性がある。
一方で、AIが蓄積する利用データの扱いについては、引き続き慎重な姿勢が求められる。NECはローカル処理によるプライバシー保護を打ち出しているが、AIがどの範囲まで個人の行動を学習し、どのように活用するのかという透明性が、今後の信頼性確保の鍵を握るだろう。
今回の発表は、PCメーカー各社がAIをOSレベルで統合する潮流の中で、NECが国内勢として自社の立ち位置を再定義しようとする動きと位置づけられる。
AIキーという物理的インターフェイスによって、誰もが直感的にAIを利用できる環境を整える試みは、パーソナルAI時代に向けた一つの参考事例となり得る。
今後、この設計思想をどの程度シリーズ全体へ展開し、ユーザー体験の質を高められるかが、NECにとって重要な焦点になるだろう。
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