Faber Company、AI検索時代に対応　ミエルカSEOに「AIOトピックチェッカー」搭載

2025年10月27日、Webマーケティング支援のFaber Companyは、自社のSEOプラットフォーム「ミエルカSEO」にGoogle検索の「AI Overviews（概要表示：AIO）」対応機能「AIOトピックチェッカー」を搭載したと発表した。AI検索時代におけるコンテンツ最適化手法として、国内企業のSEO戦略が変わる可能性がある。

AIOに含まれる重要トピックを自動抽出　競合比較も一目で可視化

ミエルカSEOに新搭載された「AIOトピックチェッカー」は、AIOが回答文内で提示する主要トピックを自動抽出し、自社と競合の対応状況を一覧化する仕組みである。

仕組みの特徴は、AIOの回答文に含まれる見出し構造（HTML「h2」タグ相当）を解析し、関連トピックごとに自社の対応有無や対応URL、検索順位まで自動判定できる点だ。未対応の領域はハイライトされ、優先的なコンテンツ企画につなげられる。
さらに、分析結果をExcel形式で出力でき、社内共有やレポート作成が容易になるという。

背景にはAIOの特性がある。AIOは、検索結果最上部にAI生成回答と関連トピックが同時に提示される。生成内容が頻繁に変わる上、構造が複雑で、従来のSEOツールや人手による分析が追いつかない課題があった。
Faber Companyは、SEOの第一人者である辻正浩氏の知見を基にAIOの構成を解析し、最新の検索行動に適応できる機能として開発したと説明する。

AI検索とSEOが融合　新たな評価軸で競争激化、運用体制の進化も不可欠

AIOへの対応は、SEO戦略の前提を変える可能性がある。従来は検索順位や被リンク評価が中心だったが、今後はAIが取り上げる「テーマ網羅性」「構造理解」「参照可能性」が優位性を左右すると考えられる。
今回の新機能は、企業がAIOに採用されやすいコンテンツ構成を把握する助けとなるだろう。

メリットとして、重要キーワードだけでなくトピック全体のカバレッジを点検できる点が挙げられる。テーマの抜け漏れが可視化されれば、ユーザー視点の情報設計が実現しやすくなり、検索体験の質も向上するはずだ。
また、レポート自動化により、運用の効率化も期待される。

一方、AIOは生成過程がブラックボックスであり、回答が動的に変化するため過度に最適化を追うと運用コストが肥大化する懸念もある。
さらに、AIの参照方法には精度変動があり、短期的に順位が不安定になる可能性も否定できない。

今後は、生成AIとSEOが統合された「AI検索最適化（AIO SEO）」という新領域の本格化が予測される。企業は従来のSEOに加え、AIが評価する情報構造やコンテンツ品質を理解する体制整備が求められる。
今回のツールはその第一歩であり、検索マーケティングの標準手法が書き換わる転換点になると言えるだろう。

Faber Company プレスリリース