長野県小諸市、「Komomag.」を11月13日リリース 暮らしと観光を統合する地域情報アプリ誕生

2025年10月23日、一般社団法人こもろ観光局(長野県小諸市)は、地域情報ポータルアプリ「Komomag.(コモマグ)」を発表した。
行政・観光・商工が連携し、市民と観光客の双方に向けて地域情報を一元的に提供するスマートフォンアプリで、正式リリースは11月13日を予定している。
行政・観光・商工が共同開発 地域情報を統合する「Komomag.」が11月13日公開
こもろ観光局は、小諸商工会議所および小諸市役所と連携し、地域情報を統合したポータルアプリ「Komomag.」を共同で開発した。
UR都市機構、株式会社Yappli、Wind.合同会社が開発支援を行い、地元事業者や市民も参画した。
目的は、暮らし・観光・商工を横断した地域情報を一元化し、市民や観光客の利便性を高めることにある。
アプリは、市民向けに医療・ごみ出し・子育て・防災といった生活情報をまとめ、観光客向けには小諸城址や懐古園などの観光地、イベント、交通情報をリアルタイムに配信する。
また、商工事業者向けに補助金・地域活動・施設情報などを掲載し、地域内での情報循環を促進する設計となっている。
特長の一つがポップアップ通知による即時配信機能であり、利用者は最新の地域情報を逃さず取得できる。
こうした仕組みを通じて、従来分散していた情報を統合し、デジタル情報格差の緩和を図る。
さらに、こもろ観光局は今後の機能拡張計画として、クーポン機能や音声・動画配信などのアップデートを予定している。
地域DXの中核へ 「情報の共有」から「体験の創出」へ進化
「Komomag.」は、単なる情報提供アプリにとどまらず、地域社会のデジタル共創基盤としての役割を担うと考えられる。
行政・商工・観光の枠を越えたデータ連携により、暮らしや観光の質を高めることができる点が最大の強みといえる。
市民にとっては生活情報のワンストップ化による利便性の向上が見込まれ、高齢層には外出促進を通じた健康寿命の延伸効果も期待される。
また、観光分野においても、リアルタイムなイベント・店舗情報を活用し、滞在満足度を高める仕組みが整備されることは利点だろう。
地元事業者にとっても、販促・雇用機会の拡大など経済的波及効果が見込まれ、地域経済の活性化が後押しされそうだ。
一方で、アプリの持続的な発展には、利用者の定着と継続的な情報更新体制が欠かせない。
自治体や事業者が連携し、デジタルを活用した地域運営モデルを確立できるかが今後の焦点となるだろう。
今後、こうした包括的な地域情報基盤の構築は、他の自治体にも波及する可能性がある。
小諸市の取り組みは、地方DXの新たな指針として各地のモデルケースになるだろう。
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