高市首相、ASEAN首脳会議で「AI共創イニシアティブ」を提唱 モデル開発や人材育成で技術外交を強化

2025年10月26日、マレーシア・クアラルンプールで開催された第28回日ASEAN首脳会議で、高市早苗首相が「日ASEAN・AI共創イニシアティブ」立ち上げを提案した。
AIモデル開発や人材育成を通じ、信頼性あるAIエコシステムの構築を目指す。
高市首相、「AI共創イニシアティブ」創設を提案 ASEANと信頼型AI連携へ
第28回日ASEAN首脳会議が現地時間10月26日、マレーシア・クアラルンプールで開催された。
高市早苗首相は会議で、2023年の「日本ASEAN友好協力50周年共同ビジョン声明」に基づく三本柱の一つ「未来の経済・社会を共創するパートナー」を軸に、協力を強化する考えを表明した。
その中核として新たに提案されたのが「日ASEAN・AI共創イニシアティブ」である。
同構想は、AIモデルの開発や人材育成、ソリューション共創などを通じ、安全で信頼できるAI基盤を地域全体で構築していくことを目的とする。
高市首相はまた、AI、量子、半導体といった先端分野での国際共同研究や研究者交流の拡大にも言及した。
日本の技術と経験をASEAN各国と共有し、産業の高度化と経済発展を支援する方針を示した。
アジア主導のAI連携へ布石 日本の技術外交に新たな焦点
この構想は、米中がAI覇権を争う中で、アジア主導の共創モデルを築く第一歩といえる。
日本がASEAN諸国とともに倫理的なAI利用と人材育成を進めれば、アジア発の技術標準づくりに影響を与える可能性がある。
一方で、各国のAI開発力やデータ保護法制にはばらつきがあり、共通基準づくりやインフラ整備が課題として残る。
特にAIモデルの学習データ共有をどう安全に行うかは、今後の議論の焦点になるだろう。
それでも、ASEANにとって日本との協力はAI産業の成長と雇用創出を後押しし、日本にとっても“信頼性と倫理性”を掲げたアジア型AI連携を世界に発信する好機となるとみられる。
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