イデア・レコード、ワタミの「かみむら牧場」にAI副店長導入 有人対応を半減させる次世代型コールセンターを構築

2025年10月24日、株式会社イデア・レコード(東京都新宿区)は、ワタミ株式会社が運営する焼肉チェーン「かみむら牧場」に、AI電話自動応対サービス「AI副店長」を導入したと発表した。
AIと人の連携による「次世代型コールセンター」により、有人対応数を50%以上削減したという。
「AI副店長」で当日予約の自動応対を実現、外食業の省人化を加速
イデア・レコードは、ワタミが展開する焼肉業態「かみむら牧場」に、自社開発の飲食店特化型AI電話応対システム「AI副店長」を導入した。
AIが当日予約や問い合わせの大半を自動処理することで、有人コールセンターの業務負担を軽減し、運営コスト削減と応答品質の両立を実現した。
「AI副店長」は、顧客との会話内容をもとに予約可否を即時判断し、店舗ごとの営業時間を踏まえて柔軟に対応できる点が特徴だ。
当日予約の受付やキャンセル対応など定型業務はAIが担い、特別対応や複雑な要望のみを人間のオペレーターへ引き継ぐ「ハイブリッド運営モデル」として機能する。
この仕組みにより、導入時間内の受電の50%以上をAIが処理可能になった。
ワタミ側では、翌日以降の予約調整や顧客要望への対応など、より付加価値の高い業務に集中できるようになったという。
イデア・レコードは導入後も運用支援を継続し、応答ログの分析やAIシナリオの最適化を実施している。
今後は、「かみむら牧場」以外の業態にも横展開し、外食DXの基盤として拡大する方針だという。
また、同社が提供する予約管理システム「お席トットくん」との連携により、食べログやGoogle、LINEなど複数の予約チャネルを一元管理できる体制も構築した。
AI副店長と組み合わせることで、予約からデータ活用までの流れを包括的に自動化し、外食産業の業務効率化をさらに推進している。
外食DXが次段階へ AIがもたらす利便性と課題
AI副店長の導入は、労働力不足や人件費上昇が続く外食業界における有力な省人化策として注目される。
コールセンターにおいても、AIの自動応対精度が安定すれば、対応時間の短縮と顧客満足度の向上が同時に見込まれる。
一方で、AI導入には初期コストやシナリオ構築の手間、音声認識の誤差といった課題も残る。
AIが間違った判断を下した場合のフォロー体制も重要な検討課題である。
しかし、イデア・レコードが掲げる「人×テクノロジー」の理念に基づくハイブリッド運営は、こうしたリスクを最小限に抑える構造を備えていると言える。
AIがルーチン業務を担い、人間が創造的・判断的な領域に注力する構図は、飲食業に限らず、小売・サービス産業全般に波及する可能性がありそうだ。











