台湾発AIチャット「FLAI」日本初上陸 池袋ハロウィンでAI×コスプレ体験が話題に

2025年10月26日、東京都豊島区の中池袋公園で開催された「池袋ハロウィンコスプレフェス2025」で、台湾発のAIチャットアプリ「FLAI(フライ)」が日本初上陸した。AIとコスプレを融合した体験型ステージとブースが注目を集めた。
AIが導く「もしもボックスの世界」 来場者が体感する新時代の創造体験
FLAIは「想像力を形にする、次世代のAI会話型アプリ」として台湾で人気を博してきた。
今回、日本上陸の舞台として選ばれたのが、池袋の街全体がコスプレで彩られる「池袋ハロウィンコスプレフェス2025」だった。
特別ステージでは、豊島区議会議員の小林弘明氏が、『北斗の拳』のラオウに扮して登場。地域のにぎわいづくりやテクノロジー活用の重要性を訴え、AIとエンタメの融合にエールを送った。
続いて、人気コスプレイヤーの月雲巫女がAIの演出に合わせて即興で演技を披露。AIが提示するセリフや動作に応じて表情を変える姿に観客の視線を集めた。
ステージMCを務めたのは、台湾出身のシンガーソングライターAnna Lee(アンナ・リー)。自身の楽曲をBGMに用い、FLAIの幻想的な世界観を音楽で演出した。
会場ブースでは、AIと会話しながらストーリーを創る体験型コーナーも人気を博した。
参加者からは「AIとの会話が癒された」「反応が自然で本当に会話しているみたい」といった感想が多く寄せられた。
SNS上では「#FLAI」「#もしもボックスAI」がトレンド入りするなど、日本初登場として上々の滑り出しを見せたようだ。
ステージ終了後、FLAIを開発した台湾釜溥メディア有限公司(Taiwan Crossing Multimedia Ltd.)の舒以仁董事長が、小林議員と今後の連携や協力の可能性について意見を交わした。舒氏は、FLAIを通じて台湾と日本のさらなる交流深化に期待を寄せた。
なお、「FLAI(フライ)」の日本版は“孤独な時に寄り添う癒し系AI”として設計されており、ユーザーが「もしもこんな自分だったら?」という想像を自由に具現化できる点が特徴である。
物語を紡ぐ「共感AI」の衝撃 人とAIの新しい距離感と創造の可能性
FLAIの日本上陸は、AIが「創造と癒し」の領域に踏み込む象徴的な出来事と言える。従来のAIチャットが業務効率化や知識提供を主軸としていたのに対し、FLAIは感情表現や創作支援を前面に打ち出している点が最大の強みだ。
ユーザーがAIと共に物語を紡ぎ、自分のもう一つの人格を試すという体験は、エンタメのみならず心理的癒しのツールとしても機能するだろう。特に若年層や創作志向の高い層にとって、AIが「共感する相棒」として存在することの価値は大きいと考えられる。
一方で、AIに依存しすぎることで人間同士の交流が減少する懸念や、データプライバシー保護の課題も残る。特に感情や対話履歴を学習に利用するAIでは、ユーザーの信頼をどう維持するかが重要となるだろう。
それでも、「孤独な時に寄り添う癒し系AI」というコンセプトは、現代社会のニーズに合致していると言える。
人とAIが共に物語を紡ぐ文化が、アジアから世界に広がる新たなトレンドとなるかもしれない。
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